奥歯が砕ける夢。左顎の下の歯茎の歪みのせい。白い歯縦に真ん中で真っ二つ。最初に頬から遠い方がボロリと取れた。塊を舌に乗せて出した。鏡をみながら歯茎を確認する。ぶよぶよのピンクと不健康そうな赤褐色の歯茎。舌でつつくと何かを抜いたあとの地面みたいに歯肉が盛り上がっていた。ゆっくりと口を閉じる。上の歯が歯肉の間におしはいってくる。片側をなくした奥歯は上の歯に押されて内側に傾く。怖くてもう一度口をあける。もう根元が歯茎のあるべきところから抜けてしまいそうで、ただそこにいるだけになってしまった。舌を左に伸ばして元に戻そうとした。完全に取れてしまった。同じように舌に乗せて出す。タオルの上に大きな塊二つおいた。手の中に入れて感触を確かめる。口の中から大きなものがなくなってしまった。口を閉じれなくて、半開きのまま。お風呂場の大きな鏡から洗面台に向かう。また鏡で奥を確かめる。歯肉の隆起。先が丸く膨らんで、抜けてしまった穴に向かって頭を垂れる余った肉。口に水を含んでうがいをしようとする。とても染みた。痛い。すぐに水を吐く。口のバランスが取れない。
歯の夢はいつも嫌に現実味を帯びていて嫌い。必ず起きたら自分の歯があるか確かめる。歯は何回も抜ける経験をしているからその情報、痛み全部頭は覚えてるんだろうか。夢の中でも痛みは感じるなら、脳が覚えているなら、死ぬほど痛い経験をした人は何回もその痛みを夢の中で繰り返すのか。何度も刺すような痛みを感じるのか。それともある程度重ねないと夢には出てこないのか。