2024年3月17日、今しか描けないという衝動と現実的な東京へ行ける日程が重なり同人誌を作って春コミに行きました。南雲が生きている内に…という切迫感に駆られて夜な夜なiPadペンシルを握った2月はあまりに短く、繁忙期と確定申告を両脇に抱え爆走したのでかなりタイトルが身に迫ったものになりましたが、本誌でシンや神々廻が奮闘してくれている内に出せてよかったです。参加を決めた1月末時点では南雲のことを春を越えられないだろうな…と本気で思っていたので…。
タイトルは本来「天国で作られた=理想的なもの」という意味らしく、オタク的にはプッチ神父の最強スタンド能力しか浮かばないものの、その能力である"時が加速する"というのも結構良い感じなのではと思い決めました。プッチ神父は何一つ良くないでしょう。彼のセリフである「明日死ぬと分かっていても覚悟があるから幸福なんだ」という言葉がずっと大好きです。
アインシュタインの有名な言葉「神はサイコロを振らない」というタイトルにしようか迷っていて、まったく理路整然とした話にならなかったので辞めて正解でした。アインシュタインも同人誌のタイトルに使われて良いことは一つもないでしょう。世の中の物事には全て法則性がある、という意味合いとサイコロを振っている南雲によく似合うので、また機会があれば、あるかな。
以下、それぞれの短編について考えていたことを書きます。
発行後、購入いただいた上に感想までいただけたりして、一ファンの二次創作に対して本当に身に余ることで、ありがたく思っています。過去編を経て、何を考えているのかわからないのらりくらりとしたキャラだった南雲が、実はかなり不自由な人生の中でずっと闘ってきた人なのでは...と思わせられるような姿に変貌していく楽しさの虜になり、現時点での妄想を描けるだけ描きたいという感じだったので、もう今月には自分の中でも解釈違いになりそうなのですが、そういう本当に...隙間に...無理矢理捩じ込んだので、考えていたことを書き留めておければと思います。我ながらタイミングだけはベストでした。
【死ぬまで一生バ…】
・坂本の引退にあたって、学生時代からの友人である南雲がなにかと矢面に立たされる立場であり、無関係とはいかないだろうなという妄想から、坂本の知らないところで南雲が少し根回しをしていた可能性が少しでもあるといいな...という友情過激派みたいな話。
・軽トラでバレーボールができそうな人間が事故くらいで死ぬわけはないので軽口っぽくしたかったのに、自分が事故に遭った直後だったのでちょっと事故感があるかもしれません。個人的な事情すぎる。
【夜はお静かに】
・最初から同人誌用に描いたものの、かなり人を選ぶ内容になったので先に仕上げてWEB上で注意書きを添えて公開しました。この辺りの注記については至らないことも多いのですが、トリガーになりうる事象を描いている以上、画力の巧拙やリアリティの程度に関わらずアグレッションとして表記するべきかなと今は思っています。この程度の描写で大袈裟な...と思われることもあったと思いますが、ただでさえ人様のキャラクターを勝手に使っている二次創作なので、なるべく丁寧に扱いたい気持ちでいます、オタクが本当にすみません...。
・目的のためなら手段を問わないというか、自分に価値をつけない南雲と、いや普通にそういうのやめろや...というのをあくまで利己的に伝える坂本、という分かりにくいけど血の通った友人関係が描きたかった。南雲の赤尾への献身を見ていると目的のためなら平気で命も投げ出しそうで怖いです。あといわゆる"シャブ抜き点滴"をしてる南雲が見たい、という全力の下心があります。
【メイド・イン・ヘヴン 】
・友達が「最強の殺し屋」って呼ばれてるの、どんな気持ちなんだろう…という妄想でした。
・南雲も相当の実力者なのに、そういう1番には拘りを持ってなさそうだし、圧倒的な揺るがない強さを持っていた坂本の存在が南雲の中でどういうものであったか、というのと、あれだけ赤尾への感情を持ちながら他人の事情にまったく無関心でいられるのか、みたいな部分がテーマでした。いつでもスマートな南雲が好きだけど、友達といるときだけ少し芯がふにゃっとして見える南雲をめちゃくちゃ勝手に愛しています。
【狂った星の果て、僕ら】
・坂本が赤尾関連の重大情報を全然南雲に伝えようとしないので、なんで?!どういう友達?!と毎週悲鳴を上げていた自分への慰めという感じ。南雲がキンダカの延命措置をしていることを坂本は知らない、という前提ならまぁギリギリ南雲に伝えない選択もあるかも…?あるかな…?本当にどういう友人関係なんだ…。
・少なくとも南雲は、坂本と赤尾のことを自分の生涯をかけても良い存在だと思っていないと今の立ち位置では無いような気がするので、赤尾を失った後の2人がどんな風にそれぞれ日常に変えていくのか見たいなと思って描きました。夜・海辺・花火・ポエム…という腐女子の神器を詰め込みまくってしまい、これぞ同人誌だ!!という仕上がり。もうこういうのが一生好き。
・花火は昨年中継で見た片貝まつりの奉納煙火を…初めて見たので、花火1発ごとに”どこの誰がどのような理由でどんな大きさの花火を打つのか”をアナウンスして打ち上げる形式で驚きました。孫の生誕祝いに100万円くらいの花火を夜空にブチかます祖父母などが見られてめちゃくちゃ良いです。
【冥土・イン・ヘヴン】
・事故②。南雲のことを運転が下手そうとかは全然思っていないものの(神々廻も高速で運転代われや...と言ってたし)、あそこまで酔いやすい体質だとまぁしない方が良いんじゃないでしょうかね...運転は...。なんでも基本器用な男の分かりやすいウィークポイントとして「乗り物に酔う」が描かれているので、ここぞとばかりにつけ込んでいます。申し訳ない。
・原作の銭湯の話が好きなので、南雲(サウナ興味なさそう)と豹(サウナ好きそう)と神々廻(付き合ってくれる)でサウナに行く話を欲望のままに描きました。坂本がいなくなってちょっとバグってる南雲が周りにからかわれて欲しい、南雲可愛がりがすぎる。坂本がいなくなっても表面上はどこ吹く風でそよそよ素面で生きてたんだろうなと思うので、同人パワーをフル活用しました。たまにジメジメとして欲しいけど、家でしかしないだろうな...。
【このまま一生バ… 】
・坂本にとっての南雲も唯一無二の友人であって欲しい、というオタクの祈りの話でした。家庭持ちの人間が友人のために財産を取っておく、という行為に2人の関係ならではの重みが出るといいな…という友情過激派の話②。今の坂本の立場で、南雲に対してここまでならしても良いと思えることは何だろう...という自分の折り合いのギリギリのところでもありました。
・南雲が特に用もないのに坂本商店に堂々と正面切って来店することは立場上無さそうなので、若干疲れてふらっと友達の顔を見に来た感じ…を出したかったものの力不足でただの無遠慮な男になってしまい猛省しています。
南雲のことを顔も生き方も可愛い人だな〜と思いながら描いていたのでもう完全にそういう本になり、そういう同人誌を出したという事実が毎晩さざ波のように羞恥を連れてきて大変です。信念も覚悟も戦闘シーンもめちゃくちゃかっこいいキャラなので、そういうことを今後言い続けることで相殺したい。顔が可愛いね...。
本誌で地獄の釜の蓋が開くのを今か今かと楽しみにしています。どうなるかまったく分かりませんが、南雲が自分の人生に納得できる決着が付くことを願うばかりです。それとは別に、南雲...?!と思うことも多いので当たり前に怒られたりもして欲しい。楽しみです。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
↓没にしたけど表情は気に入っていた南雲、見てください、ありがとう。