住居と車が揃って、ラボの生活も軌道に乗りかけた頃。ずっと国際免許証で運転してたのだけど有効期限は1年間。そろそろ現地の運転免許を取ろうかと思った。例えばお酒を買うには必ずID提示が必要だったりするし、生活でパスポート以外の身分証明書があったほうがいいなと。
でも難しくないだろうか、教習所とか通うのか。ラボのインド人に聞いたら、簡単だよー、1日で取れるよーと言う。警察署に自分の車で行って試験を受ければいいのだと言う。
ん?みんな試験前の練習はどうしてるの? 聞けば友達の車借りてそのへんを走ればいいんだよーと言う。それって無免許運転… そもそも車ないのにどうやって警察署に行くんだ? 友達の車借りて実技受けるんだよー。免許持ってない人が免許取るのに自分の車が必要というのが変だ。
インド人に聞いたのが間違いだったかもしれない。彼らはとにかく全てのことを友達を使ってどうにかするのだ。
警察署に行く。まず筆記試験、そして実技。窓口で筆記試験受けたいというと、どこの外国人かと聞かれる。なんと日本語の試験用紙が出てきた。聞けば大概の言語はあるという。さすがアメリカ。
15問くらいの問題の内容は、信号が赤のときはどうするか→止まる、曲がるとき指示機を出すとか、当たり前の内容。余裕で合格。
日本とは違うルールもある。赤信号でも横断歩道に歩行者がいなければ右折できる(日本なら左折に当たる)。最初はルールでは分かっていても本当に大丈夫かとためらうと、後ろから鳴らされたりする。もちろん、人がいたら止まらないといけない。
実技試験受けたいんだけどと言うと、入り口に自分の車を止めて待てと言われる。誰もいない駐車場で待ってたら、向こうからめちゃくちゃデカイ白人の警官がこっちにやって来る。腰には牛を一発で倒せそうな銃。彼が試験官なのだった。助手席に乗り込んでくる。
じゃ始めるよ、駐車場を出て右、交差点を右に曲がってワンブロック回るんだと言われる(命令される)。運転技術の心配ではなくて本物の警官が隣りにいるという事にビビってしまった。とにかく言われたとおりにする。日本で習った後方確認や指示出しを念入りにやる。
小さい町なのでワンブロックも小さい。3分位でグルっと回って帰ってきた。ハンドブレーキかけたら、合格とボソッと言われて終わり。その日のうちに州発行の免許証をゲットした。
殆どの交通ルール、例えば飲酒運転厳罰とかシートベルト着用はだいたい日本と同じ。でも州によって微妙に違っていて、隣のニューハンプシャー州は当時シートベルト着用義務はなかった。マサチューセッツ州に入る州境にはパトカーが張っていて、よく取り締まってるよーとインド人が教えてくれた。ニューハンプシャー州は消費税が安い、お酒が買いやすいなどあってよく買い物に行ってた。
とにかく、これで生活のセットアップは終わり。次は仕事(ラボ)のセットアップ。