推しのぬいぐるみが欲しい。
いわゆる中韓ぬい的な綿がパンパンに詰まった推し……もといイスカリくんのぬいぐるみが欲しい。出来れば着せ替えもしたいし連れ歩いてみたい。

Just do it.
ちなみに洋裁・刺繍についてはからっきしで、ミシンは小学校の授業以来触れていません。
オール手縫いでやっていきます。
使用した道具・材料
完成したイスカリぬい本体に使用した物のみを記載。
道具
カットワークはさみ(クロバー)
手縫針(クロバーのピーシング針)
オール手縫いの場合はピーシング針がおすすめ。
フランス刺繍針(クロバー)
刺繍枠(15cm)
待ち針/手芸クリップ
シンブルか指貫
フリクションペン
チャコペン代わり。便利だが手芸用ではないので使用は自己責任。
布用の白ペン
アイロン
ドライヤー
コロコロシート
裁ほう上手
刺繍のほつれ防止に使用。
ほつれの心配が無い場合は不要だが、服や小物も自作したい場合は後々重宝するので持っていて損はない。
材料
ぬいの素
Little Closetで購入した縫製済みのボディパーツ。色はココア。
ボア生地
購入先・肌の素材は同上。髪は5mmボアの黒。
ナイレックス生地
主に試作で使用。本番では襟足パーツの両面接着(裏面)にのみ使用。
刺繍シート(不織布タイプ)
刺繍糸(25番糸を色々)
手縫い糸
COATS&CLARK、シャッペスパン
手芸綿(つぶ綿)
薄手の接着芯
刺繍の補強に使用。
両面接着芯
髪パーツを二枚重ねにする際に使用。
接着剤のおかげで起毛のほつれ防止もある程度望める。
参考動画と購入元
髪の型髪作りや刺繍デザインなどの一部を除き、凡その作業工程はこちらの動画をかなり参考にさせて頂きました。
ぬいの素の購入先であるLittle Closetのブログ内にもぬいぐるみ制作ガイドがあるので、そちらも参考にさせて頂いてます。
サイズ決めとアイデアスケッチ

実寸大をイメージしながら大体こんな感じかな?というアイデアスケッチを取ったところ。
サイズの方は、20cmは大きくて持て余しそう、10cmは連れ歩きやすいけど初心者の自分には細かな作業が厳しそうだと考え、間を取って15cmで作ることにしました。
身に着けてほしい小物のアイデア出しをしておくと完成へのモチベーションにも繋がって楽しいのでおすすめ。
試作
髪の型紙を決める
刺繍の練習をする
ぬい作りの流れを知る
ぶっつけ本番の勇気が無い
等々の理由から、まずは頭部を試作します。
ボディはぬいの素を使用し、頭部のベースもぬいの素購入時について来る型紙を使用しましたが、髪などのキャラ固有パーツは自前で型紙を用意する必要があります。
自分は型紙を取るための知識が無いので、今回は実際に切って縫ってを繰り返しながら良きバランスを探って型紙を作ることにしました。
試作では切断面がほつれにくく扱いやすいナイレックス生地を使用。
刺繍のデザイン決めと練習
アイデアスケッチを元にデジタルで刺繍デザインを固めます。
額の傷痕をある程度布で作るか、オール刺繍で仕上げるか、どれくらいデフォルメ化するか……かなり悩んでオール刺繍に決めました。


刺繍シートについて調べていた際、たまたま「褐色キャラのぬいぐるみには不織布タイプが良かった」という情報を見かけたので、今回はそれに倣ってみました。
試せておらず定かではないのですが、褐色黒髪のような全体的に暗い配色の場合、透明のフィルムタイプだと転写が見えづらくなるのかもしれません。
また、試作ということで百均の糸を使ったところ、毛羽立つし、糸通りは悪いし、めちゃくちゃ絡まるしでかなり後悔しました。刺繍糸は結局必要になるので最初からメーカー品を買った方がいいです(自戒)
刺繍シートを取り除いた後はドライヤーで粗方乾かし、本来は陰干しをします。
この時期は一週間雨続きの梅雨真っ盛りだったため、完全に乾き切るまでサーキュレーターの風がよく当たる場所に吊るしていました。

生地(特に目と目の間)がヨレている……編み物でも糸を強めに引く癖があるのですが、それが刺繍でも出ているみたいです。
試作で気付けてよかった。
試作①

なんかへにょへにょしてる。
毛流れに複雑さを求めてツンツン髪のパーツをふたつに分けてみたのですが、完全に裏目に出てごちゃごちゃになった。
顔のダーツ部分もかなりシワがよってしまい……綺麗な縫い方を調べつつ何度か練習してみましたが、結局ダーツ部分は最後まであまり思ったように縫えなかった。
顎の輪郭ラインはかなり綺麗な丸み。ここはぬいぐるみの仕上がりに直結すると聞いて恐々としていたので嬉しい。
試作②
ツンツン髪の型をよりシンプルにまとめた。
ついでに接着芯で布を補強してみたところ、へにょへにょしていた髪が立ってイメージが掴みやすくなりました。

「ぬい作りの流れもわかってきたし、型も定まってきていい感じだ…才能あるかもしれん…」と意気揚々綿を詰めたら襟足がデカすぎて落ち込んだ。タコ…??

正面から見ると意外にもいい感じなので、ツンツン髪はこの型で決定。
試作③

デカすぎる襟足をなんとかします。
目安の線を直接描き込み、一旦解体して型を取り直します。

微調整を繰り返して最終的にこんな感じで落ち着いた。本番でまた少し形が変わりましたが、よくやったと思う。
ここで試作用の生地がほぼ尽きたため、腹を括って本番に移ります。
本番
まずは本番用の布を購入。
ネット通販はディスプレイで色味を判断しなくてはならず、なおかつ褐色系の生地はロットによって色差が大きい……褐色ぬいの制作例自体も少ない……という感じでかなり悩みどころでした。
肌は茶色過ぎず暗くない優しいココア色。髪は真っ黒とやや明るめの黒の2色を購入し、見比べてから真っ黒に決定。
刺繍糸はユザワヤ(実店舗)で購入。色数が膨大なので、本番用の布を↓の写真のように小さく切って持参し、実際の色味を見比べながら選びました。

刺繍(本番)
試作で自分の手の固さを再認識したので、本番では生地裏面に薄い接着芯を貼って補強。
また「刺繍枠を持ちながら片手で刺していくの大変過ぎるな~」と思い始めた結果、途中からコレになった。

刺繍スタンドを買っても今後使うかわからないし、置き場所にも困りそうだったのであり合わせで奮闘。見た目が終わってるけど、偶然にも全てのサイズ感が合っていて意外とどうにかなった。
あとは少しずつ刺していく。
一気に進めようとすると大変なので、余暇時間に好きなアニメやドラマなんかを流しつつ、日を分けてまったり作業するといい。

かわいい……
途中で傷痕部分の刺繍糸を1色買い足してディテールを上げてみたりした。ぬいぐるみのデフォルメ感を維持しつつ傷痕の生々しさを表現するのがむずかしく……どの方向に刺せばいいかわからない形なのもあって難儀した。
白目はアイボリーに近い白を選んだところ褐色肌によく馴染んでくれました。ハイライトは白目より明るい白。
髪・下まつげ・おくちは二本取りで、それ以外は一本取りです。
本来の用途ではないが、瞳や傷痕の刺繍がどうしても分厚く硬くなったので途中からピーシング針で刺したところ、これがかなり快適だった。ピーシング針最強。
刺繍のほつれが不安な部分に裁ほう上手をかなり薄く塗って補強してます。

かわいい~~~……
顔周りの横髪はクロスボア同士で両面接着。最後にカットして仕上げるので一旦このまま進めます。
ボアの毛足が長く、なかなか刺繍シートを流しきれなかったので布が若干ゴワついた。かわいいのでヨシ。
パーツを作って縫い合わせる
試作で取った型を使い、ツンツン髪と襟足パーツを作ります。
ツンツン髪はクロスボア同士を両面接着、襟足はクロスボアとナイレックス生地を両面接着しました。夢中で作っていたのか、この辺の写真がほとんどなかった。


ボディ全体に十分な綿を詰め、おしりの形を作ったところ。
厚みが欲しいわけではなかったので割れ目が出来ただけでほぼ平らです。
仕上げに横髪や毛足の長いところをいい感じに散髪して……


一旦完成!
しかしすっぽんぽんのままというわけにはいかないので続けて服や小物を作りシン・完成を目指します。
服・小物作り
① 戦士の仮面アイマスク

アイデアスケッチ時点からふんわり考えていた戦士の仮面。
最初はぬいぐるみサイズの狐面などを加工・塗装して……という方向性で考えていたのですが、ぬい本体の布地や刺繍が傷みやすくなる可能性を考慮し、布製アイマスク型に落ち着きました。
ゴムバンドで着用・固定が可能。
長時間着けていると髪にクセが付くので普段は頭にそっと乗せて過ごしてもらっています。
② ズボン・オセロトルぬい

小さめに作ってイスカリぬいと疑似父子感を出そうと思ったが、小さくなると作業も細かくむずかしくなり……自分にはこれが限界だった。
そして同じタイミングでイスカリぬいのズボンも作りました。新品の靴下をぬいの股下・ウエストに合わせてカットし、レジロン糸で縫っています。

ソモス・ファミリア
③ トップス(セーター)

ズボンを作っていた時は8月頭だったのですが、暫し多忙になり、布に包まれながら過ごしてもらっている間に9月下旬になっていました。残暑厳しい時期でしたが、先の季節に合わせてセーターを編みました。
このセーターの編み方は個別で投稿します。

他にも小物をちまちま作りましたが、これにてシン・完成とします。
ちなみに靴はユザワヤで購入しました。
ちょっと大きいけど作りがしっかりしていて履くとスタンド無しでも自立します。自作ぬいが立ってるの結構感動する。

どっしり
おまけ
楽しかったところ
推しぬいの顕現(最大の嬉しいポイント)
毎夜余暇時間に針作業することが意外にも気分のリフレッシュになった
大変だったところ
襟足パーツの調整(一番時間がかかった)
梅雨〜真夏だったのでアイロン・ドライヤー作業は地獄だった
反省点
百均アイテムで試そうとした結果、安物買いの銭失いがボロボロ発生したこと
シン・完成までの制作期間
イスカリぬい……約1ヶ月半
オセロトルぬい……約2週間
着用物……約2ヶ月
イスカリぬい+着用物にかかった費用
道具・素材・購入にかかった送料込みで13000円弱
元々所持していた道具や素材、手芸屋までの交通費、オセロトルぬいにかかった費用は含まない
正直な話、かかる時間や費用はピンキリなのでなんとも言えませんが、そういった面も含めてぬい作りを考えている人の参考になれば幸いです。

Enjoy nui life.