harmoe さんのイラスト制作とその過程

ni_no
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ぷるおさん主催のharmoe Advent Calendar 2024 21日目を担当します、新野と申します。

絵をかいたり料理をしたり手芸をしたり、何かしらものを作るのが趣味です。最近のブームは編み物です。

初めてのアドカレ参加で何をしようか迷っていたのですが、harmoe 3rdライブツアーに参加してからずっと頭のなかでくすぶっていた絵のアイデアがあったのでこれを機に製作しようと思い

製作しました。

今回はこちらの制作経緯と過程を写真でご紹介しようかなと思います。

プライベートで記事を書くのが数年ぶりなので(怖…)駄文かと思いますが温かい目で見てやってください。もう画像だけ見てもろて。いうて画像もめちゃくちゃありますが。

作ろうと思ったきっかけ

この作品を作ろうと思ったのはharmoe3rdLIVE TOUR「ii'm here」内で中村彼方さんがかかれた詩がきっかけです。ライブの幕間映像や、パンフレット、ライブTシャツ等に書かれているあれです。全体的な言葉のチョイスや雰囲気が大好きなのですが、特に好きな部分だけ引用します。

あっちの海は青い。だから分かるのです。こっちの海は緑だと。

他者を通すことで初めて自己を認識する。みたいなこの一文が好きでして。ライブ後もしばらく頭の中で反芻してました。

この好きだな~~という気持ちを何とか表現したいのですが、私は言語化がめちゃくちゃ苦手です。「よかった!!!」くらいしか出てこないのどうにかしたい。ほんまに。

なので絵で表現することにしました。拙くとも絵が描けてほんとによかった。

どう表現しようか…と考えていたところ、ちょうど好きな作家さんが絵をマス目に切って違う絵をそこにはめ込むという作品を作っていらっしゃったのでこれをアレンジさせていただくことにしました。

二枚同じような構図の絵を描いてそれを分解。それぞれのパーツを入れ替えてモザイクアートみたいにすることで互いの違いや自己の曖昧さを表現したい

という方針が決まったので、これに従って作品を制作することにします。

製作過程

ということでここからは作品の制作過程を紹介します。作品だけ見るものいいですが、作品が出来上がる中身を見るのって、楽しいじゃないですか…。ファンクラブ「はるもえroom」のニキブログなども毎回楽しみにしてます。楽しいけどその人の内臓を見るようですこし怖さや後ろめたさもある感じが好きです。なので私も内臓を見せようかなと。

ラフ

まずは作りたい絵のイメージをで起こします。今回は実際紙に描いて製作するので、色をサクサク変えやすいペイントソフトで大体の色の雰囲気と構図を決めておきます。

雑ですね~~~まあ雰囲気が分かればよし。暗めの色合いにしたかったようです。あと手も描きたかったみたいですね。

下書き

絵のイメージはつかんだので紙に描き始めます。絵を描いたあと正方形のピースに分割するので、水彩紙に150*200で枠を引いて、10*10のマス目をカラーのシャーペン芯でチマチマ引きます。デジタルのグリッド機能が欲しい。

ラフを参考に下書きをします。ここから消しては描きを繰り返すので、一番初めの下書きは4Bくらいの鉛筆を使ってます。ラフにあった手が消えた代わりに風船が追加されました。画面があまりに地味だったので明るいモチーフが欲しかったからだと思います。

ねり消しで鉛筆の線を薄くします。この上に本番の線画を0.3mmのシャーペンでなぞります。

できた!この状態になるまで二回くらい線画を描いては消しを繰り返してました。私は線画を描くのが一番苦手です。

ペンでなぞるときもあるのですが今回はあとでバラバラにする都合上、線にあまり目立ってほしくなかったのでシャーペンの線画で終わりにしました。

真正面顔は描くのが難しい。あと人の顔を似せるのも難しい。ずっとわからないまま描いています。

色塗り(下塗り)

線画終わった!!色塗りだ!!!!

今回は透明水彩という水彩絵の具で色を塗ります。色塗りが一番楽しいのでテンションが上がります。

使ってるのはホルベインの透明水彩です。多分透明水彩といわれる画材の中では有名どころなのでは…ないでしょうか。学生時代に買ってもらったもの+後から買い足した別メーカーのものなどをパレットに出してチマチマ使っています。

出した色を放置しても水で溶かせばそのまま使えるため、パレットは秘伝のタレ状態になりがちです。

まずは絵具をつけずに水をつけた筆で絵全体をビッタビタにします。

紙が湿っている間に絵具を塗ります。使ってるのはダニエルスミスというメーカーのMoonglowという色。確か「はるもえtheater stage Ⅱ」の空き時間に新宿の世界堂で買った記憶があります。

湿っている状態で絵具を置くと、色がじわっと広がるのが楽しいです。これを繰り返して紙全体に下塗りをします。先に色を塗っておくことで画面の色の雰囲気が決まる気がしています。

乾いてくるとこんな感じ。ムーングロウ、塗った直後は紫なのですが、絵具に入っている顔料のおかげで乾くと顔料が分離して青や赤っぽい色も出てくる不思議な色です。

harとmoeのお二人もざっくり塗っておきます。目元や陰になる部分に色を置いて

水をつけた筆でぼかします。

これを全体的にやって下塗り完。背景の海の色もざっくり塗っておきました。har側は青を、moe側は緑を塗っています。真ん中部分は色を混ぜたものを塗っています。

本塗(塗り重ねる)

ここからは人物や背景の固有色を少しずつ少しずつ塗っていきます。一気に塗ると色が濃くなりすぎて絵のバランスが崩れるので、塗りこみたい気持ちを抑えながら全体をちょっとずつ濃くします。

服や髪は黒色ではなく、ホルベインのダークグリーンという色とさっきのムーングロウを混ぜて塗っています。黒一色より、色が混ざるほうがニュアンスが出てすき。(写真にはなかなか乗らないのがつらいですが。)

唇も塗ります。一気に顔の印象が変わるので慎重にこの後も塗り重ねます。

こんな感じで色を塗りだすとこのあたりで画面がボヤッとしだすので、これ本当に大丈夫か…?完成できるか…?と不安になってきます。

こんな時は大体線画が薄いのが原因なので、安心するために一度線画をなぞりなおしましょう。

ちょっと絵がパキッとしたの、わかりますでしょうか。線画が濃くなるだけでだいぶ印象が変わるなあといつも思います。

髪もちょっとずつ濃くします。小泉さんは黄色を置いてから上に濃い色を置いています。

目を塗りこみます。白目の部分は真っ白ではなく目の色を薄めたもので塗っておくと、目だけ顔から浮くということが減ります。

鼻はオレンジっぽい色をU字に塗る→U字の端面を水でぼかします。ハイライトを入れなくてもいい感じになるので最近お気に入りの塗り方です。

眉は眉頭にオレンジを混ぜました。すべて濃い色で塗るよりも色が落ち着く感じがします。顔周りの色塗りはメイクとやってることがあまり変わりません。

海部分があまりに汚かったので、点描のようにちょんちょんと絵具を塗り重ねた上に、白のアクリル絵の具で光を入れます。この辺はノリでやってます。常にノリで絵をやっている。

また、人物を浮きだたせるために人物の外周を白のペンでなぞります。使っているのはタチカワのPure white 0.5mm。白色はパキッと色を出したいので、透明水彩ではなくアクリル絵の具やボールペンなどしっかり発色するものを使っています。

ここも服の外や耳の横などを白でなぞっています。かなり小さな差なのですが、これをやると一気に画面が変わります。

あと見づらいのですが目のラインストーンと海の光った部分をアクリルのラメで塗り重ねました。とにかくキラキラさせたい。

できた!!!!!!色を濃くしすぎることもなく塗り終われました。

この後取り返しのつかないことをするのでここで記念撮影。

切る

中々いい感じに描けたのでもうここで終わりたいのですが、私がやりたいことはここからが本番。泣く泣く刃を入れます。

カッターは珍しい左利き用。刃とボディが左右対称になってます。

これを

こうして

こうして

こうじゃ。

10*10のピース300枚に分割します。

これはえらくきれいに切り取れた一枚。

貼りなおす

これを厚紙にのりを使って貼りなおします。スティックのりは学生時代ぶりに使いました。ピンセットでひたすらチマチマ貼っていく。狂っとる。

途中海の色のピースや入れ替えても大丈夫そうな顔周りのピースをharとmoeで入れ替えます。海の色は予想通り入れ替えることによって色の差が出たのがよかったです。

ここの前髪のように、ピースを入れ替えたのに同じような曲線でつながる時があったのも面白かったです。これが手癖か。

風船部分も入れ替え。空の部分はかなり大胆に入れ替えた結果、ちょっと形にずれが出てしまいました…。

完成

ひたすら貼りなおして完成!!!お疲れさまでした。

あとがき

なんとか完成できました。形がずれたのは反省点ですがおおむねやりたいことはできたので満足です。

harmoeさんの曲やライブを見るといつも何かを作らねばならないという気持ちに駆られます。harmoeさんやスタッフの皆様のように素敵なモノづくりができるようこれからも励もうと思います。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!