映画を見た。京都の出町座まで遠出して「夜明けのすべて」と「悪は存在しない」を贅沢に2本ハシゴ。
「夜明けのすべて」は2月公開だったから本来もう少し早く見れたはずだけど、資格試験の時間と重なったせいで機会を逃していた。サブスク配信を待ってもよかったが、周りの評判がそこそこよかったし題材的にも気にはなっていた。
PMS、そしてパニック障害。PMSは現在進行形で悩んでいるし、鬱病だったころは当然のようにパニックの発作を起こしまくっていた。わたしの場合、電車には乗れていたけどスーパーマーケットがどうしてもダメで、店内で気分が悪くなったり立ち尽くして泣いたりしたことが何回もある。劇中で語られるように寛解まで10年かかることもざらではないし、今わたしが元気にしているのだって運がよかったとしか言いようがない。
だから「夜明けのすべて」を見るのは少しこわかった。まさか映画に感化されて症状が再発するとまでは言わないものの、当時のことを思い出してしんどい気持ちになるかもしれないという不安があった。
就職にせよ転勤にせよ自分を取り巻く環境が変わり、ストレスを抱えているという自覚がなくても確実にダメージは負っていて、だいたい半年が経過したころ突然発症する。いくつ病院を巡っても「ストレスを溜め込まないように」「規則正しい生活を」しか言われなくて、機械的に薬を出されて終わり。自分が快方に向かっている実感もなく、次第に気力も失われてただ日々を波立たせないように過ごすだけ。松村北斗演じる主人公があまりにもメンタル不調者のそれで、過去の自分そのものを見ているようで本当に苦しかった。感動的でも何でもないシーンでつらくて何度も泣いた。
「夜明けのすべて」にはステレオタイプな「無理解な人間」は登場しない。みんなわかってあげたいと思っているし、寄り添おうとしていて、それでもわかりあえなくて綻びが出る。当人へのプレッシャーになる。
(考えているうちに苦しくなってきたのでまた続きは今度書く)