もう二度と酒は飲まない。まったく今日は酷い目にあった。そもそも先祖代々酒は強くない。飲めば顔は赤くなるし視界は青くなってそのまま嘔吐する。しかし厄介なのが食への好奇心で、口にしたことがないものはそりゃチャレンジしてみたいでしょう、となる。
ゴールデンウィーク最終日の昼、機嫌よく引っ張り出したのは好奇心ゆえに購入したチョコレートビールだった。多少体調を崩すのは織り込み済み、無理せずやるぞと飲み始め、夕方ごろまでは確かに楽しかった。
ところが酒を飲んで6時間が経過したあたりからみるみる体調が悪くなった。浅い呼吸、熱くなったり寒くなったり落ち着きのない皮膚、容赦なくせり上がる胃液、もう吐くものなんてないじゃんとトイレで泣く。そんなわかりやすく毒ですと教えてくれなくてもいいよ。月並みだけど頭も割れそうに痛くて、痛みに関するどんな比喩表現も「割れそうに痛い」の前には無力だと思う。
数時間の苦しみののち何とか復調して今に至る。吉本に漫才を見にいくと何故かたまにもらえるボディメンテ、何となくとっておいたけど今日ばかりは躊躇なく開ける。沁みる。ああ本当に苦しかった。もう二度とこんな目にはあいたくない。しばらくビールは控えます。