アルコールの話

爾枝
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子供の頃、私の実家は酒屋を営んでいた。だから当然酒に囲まれた生活を送っていた。

今ではもう信じられない話だと思うのだけど、当時は未成年の飲酒のハードルがとんでもなく低かったと記憶している。親が飲んでいるビールの泡をもらっていたのは当たり前。当時から40年近く経過した今となっては口が裂けても言えないようなこともあった。

しかし、とはいえ私自身は酒に強い方ではない。どちらかと言うと酒好きの下戸。飲みたいけれど量はそれほど飲めない。なので、大人になってからは、普段のなんでもないけどちょっと特別な日——たとえばアルバイトでポイントカードにたくさんのお客様にご入会いただけたときなどは、ウィルキンソンの辛口ジンジャエールかトニックウォーターにレモンやライムを絞って飲んだ気分だけを味わっていた。

ところが。

私は信じられないほどアホなので。

推しがウイスキーを嗜むと知るや否や20年ぶりくらいに自宅にボトルキープした。しかしこの買ってきた銘柄があまりにも私好みの味ではなかった。しかし買ったものは仕方がないので、翌日が休みという夜にはたまにちびちびやっている。

これからの季節、どんどん寒くなっていくので、ウイスキーティーとウイスキーケーキで消費しよう。そしてそれがなくなった暁には約20年ぶりにジャックダニエルを買おうと心に決めている私はやっぱりアホなのだと思う。

@nie
インターネットの片隅にいる寂しがりや