2年ほど前から、限界集落というほどではないが、田舎に住んでいる。
コンビニは15分歩けばあるが、1km先に熊が出るような場所なので、そこそこ田舎ではあると思う。
「田舎は排他的」と良く聞いていたけれど、その理由が少しずつ体感できてきた。
一番の理由は、「法の加護が薄い」ことだと思う。
もちろん、時間が起これば警察を呼ぶし、呼べば来てくれる。
しかし、何かが起こったとして、自分が声を張り上げたとしても誰も気付いてくれない可能性が高い。助けが来てくれるのかどうか、大分怪しい。
走ればすぐに交番があり、隣接する家があるような都心とは緊張感が違う。
これは、保護者のいる子どもではなく、責任のある大人として田舎に住んで初めて理解できた。
「地域の安全を、自分も含めた地域で作らねばならない」という感覚がある。
あとは、みんなが田舎に移住しようとは思わないことから分かるように、田舎に来ようとする理由が特に無い。まばらに人が住んでて、畑があるだけなので。
その辺にいる時点で動機が謎の怪しい人物ではあるし、もし本当に害意を持つのであれば、何とかして被害を防がなければならないので、「どうしたんですか〜?」と声をかけて様子を伺う。
もし、知らない人が引っ越してきたのであれば、こちらから情報を開示しようとは思わない。隙を見せて、留守を狙われたりだとかのターゲットになると困るので。
こうして、「排他的な田舎」の人間は形成されていくのだった……