2024年1月23日(火)
■奪われたことと同時に奪ったことにも自覚がある人いいなと思う。私が言う時はそうなりたくてそう言ってる。
■閑話休題。
■今日は祖母と一緒に、亡くなった祖父の妹さんに会いに行った。
家を訪ねる前に祖母と一緒に手土産を買った。最近できたけどあまり行けてなかったスーパーに行ったから、祖母も楽しそうだった。良かったなあ。
■祖父の妹さんは亡くなった祖父に似た顔で嬉しそうに「よく来たな」「ずっと○○ちゃん(私)に会いたかったんだよ」と言って、私の手を握って離さなかった。お互いに連絡先は交換していたけど、彼女は私が仕事をしているだろうからと気を使って連絡をしないでくれていたらしい。私は私で10月までは仕事で、休職してからは自分のことで手一杯で連絡を取る余裕がなかった。それなのに「ばあちゃんが悪いんだ、連絡しなかったから。連絡先聞いてから1年も経っちまった。」なんて言うから、「違うよ違うよ、私も連絡しなくてごめんね。」と言った。
■「○○ちゃん(私)ならいつでも来てくれ」と言ってくれて嬉しかったから、「どれ、じゃあ明日また来ちゃおうかな」と冗談混じりに言ったら「明日はリハビリだからダメだ」と断られてウケた。ちゃんとダメだった。
■壁のカレンダーには私の名前が書いてあって、嬉しいから撮っても良いかと聞いたら「急いで書いたから恥ずかしい」と言いつつも許してくれた。嬉しかった。日付に丸がついていたのは今日だけだった。
■いろんな話を聞いた。祖父の昔の話もした。
祖父が80歳を超える前に、祖父の妹さんと祖母と親戚数人で山に登ったこと。
親戚の中にはその山の登山道を作った“達人”がいたこと
達人が崖を歩き始めた時は祖父と妹さんは「転がってしまう」と恐れ慄いたこと
ミツマタの群生地に連れていってもらったこと
その日祖父が見つけた花が準絶滅危惧種で、植物園に連絡をしたら感謝されたこと。
妹さんは祖父にとても懐いていて、祖父もとても可愛がっていた。だから祖父に関する出来事をよく覚えていた。
■私たちの他にも親戚が2人来た。私の祖母と親戚のおばあちゃんは畑仕事をよくやるから、その2人が「この前寒かった時あったよね、雪が降ったとき。畑仕事なんて何もできなくて家にこもってたよ」「そうだよね」と言った時、妹さんは間髪入れずに「ゆきだるま作った」と言った。不意打ちだったから私は爆笑した。彼女のそういう突拍子もないことろが好き。
「そんなに積もったの?ひ孫と作ったんか?」と聞いたら、「吹き付けたから積もってたんだ。雪をこうやってきゅっとしてころころころ…ってやったらひ孫が喜んじゃっていっくらでもころころやってて、そのうちにこれくらいの大きさになったから頭の部分もきゅってしてころころさせて作ったんだ。そんであれな、南天。南天の実ってあっぺ。あれが目だ。」と笑いながら言った。おにぎりを握るような身振りを交えて話す彼女は本当に可愛らしいばあちゃんだった。祖父が晩年まで妹としてかわいがったからこそ残った可愛らしさなのかもしれない。愛嬌がある、根っからの愛されキャラ。
■全員で話している最中、祖母の手土産のふかしたさつまいもを食べていた彼女は、私の隣で小さい声で「この芋甘くてうまいわ」と言った。話が続いてたからすぐに返事はできなかったけど、隙を見て「芋うまいか?」とこっそり聞いたら嬉しそうに、でも小声で「うまいわ。○○ちゃん(私)も食え。」と勧めてくれた。2人でうまいうまいと言いながら食べた。
■私の仕事の話もした。休職していることから復帰の見込みまで。胸が痛むというような顔で「そうか、そうか。」と聞いてくれた。「嫌な人ってのはどこにでもいるんだわな。でも嫌だよな。」と言ってくれた。本当にそうだよね。
■私の母はこの家に来たことが無いと彼女が言っていたから、「次は私のお母さんも連れて来るね」と約束して帰った。
■家に帰って、私と同じく彼女のことを大好きな母にこの話をした。母も大笑いして、「面白い、かわいい」と言っていた。今度は一緒に行こうと言った。
■親戚のおばあちゃんが大根を抜く効果音として、「ぽくぽく」を使っていた。「ぽくぽく抜けるよ」と。かわいらしい。