11月11日の日記

nina
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友達の結婚式のため六本木へ。その前に銀座に用事があって立ち寄る。用事というほどのことでもない。GINZA SIXのイータリーに行ってみたかったのだ。イータリーのトートバッグのSサイズ、赤が欲しかったのだけれど、売り切れ。オンラインショップには生成のならあるのだが。日本橋の方へ行けばあったのかしら。とても残念。気を取り直してぷらぷらと蔦屋書店を冷やかす。旅行客向けであまり面白くはない。好みの本屋ではなかった。お昼ご飯を食べていなかったのだけれど、2時近かったし、披露宴の前にお腹を満たすのはちょっと……と思い、イータリーのバールへ。おいしそうなジェラートを横目にcioccolata calda つまるところホットチョコレートを頼む。久しぶりに人前でイタリア語を発音して気恥ずかしいやら、嬉しいやら。私は自分の口からのぼるイタリア語を、やはり自分にしっくりくるように思う。支払いをしながら店員さんに横を指さし「見てるとおなかすいちゃう」と言うと笑ってもらえた。「もし私が(チョコラータを頼んだのに)ジェラートを買いにまた来たら、こいつは欲望に負けたんだなと思ってください」と言うと「はい。冷たい目で見ます」と答えられて痺れた。それからもう少し時間を潰そうと下に降りて、なんとなく吸い寄せられてAesopに。ちょうどハンドクリームがなくて困っていた。角質をとるスクラブクレンジングで丁寧に手を洗ってもらい、いろいろつけて保湿してもらった右手の方は生気を帯びて生きてる人間の手らしくなった。左手はつめたく血色をなくして死人の手みたい。結局、ハンドクリームではなくスプレータイプの化粧水を買う。全身使えるし、手にひとふきして保湿したあとベタつかないのがいいと思った。今度普通にハンドクリームも買いに行こうと思う。やっと外へ出ると風がびゅうびゅうふいていて寒かった。パンツスーツっぽいドレスの上にはうすい羽織が1枚でなんとか耐える。本当は羽織でなくて、義理の伯母から貰ったDiorの前開きのワンピース。ワンピースとして着ようと思うと丈が短くて、これはボディコンというのか、つまり形が流行遅れでうまく着こなせないので、前を開いたままさっと羽織ってトレンチコート風にしたらとてもしっくりきた。お古だけれど、だからこそブランド以上に価値がある。大事にしたい。そして地下鉄に乗って、やっと六本木のグランドハイアットへ。式はとても良かった。人柄が出るなぁ、としみじみ。うつくしい友人の幸福な姿を見ると心が満たされる。

式の帰り、イルミネーション輝く夜道をつい数時間前に知り合ったばかりの友だちの友達たちと歩く。楽しかった。都会を歩くときらびやかで楽しい。非日常的な場所だから、ときどき小綺麗にして遊びにゆきたい。おのぼりさんが恥ずかしいけれど。そういえば銀座駅から六本木駅に行く地下鉄に乗るとき、スマホ片手にサンダル履きでとても自然な様子で電車に乗り込み、目的地でさらりと降りていった小学6年生くらいの男の子に衝撃を受けた。都会のお金持ちのおうちの子だろう。東京のど真ん中で生まれ育った子の見る景色はいったいどんなものだろうか。その少年のことを思い出しながら、車窓に映る自分の顔を眺めて、この顔とそっくりと言われる息子が眠る家へと帰った。

@nina
日々と小説