昨日から小川洋子の『貴婦人Aの蘇生』を読んでいた。小川洋子作品で1番すきかもしれない。『人質の朗読会』や『琥珀のまたたき』もかなり好きなのだけれどもしかするとそれを超えて。
生活のあいまにねじこむように読書をする。薬を切らした頭痛もちの人のように、本がなければ不意に訪れる偏頭痛みたいなさみしさに耐えられない。なのに、読書という孤独の時間がないと生きていけない矛盾。さみしさを埋めるのに生身の人間と出会うのは重すぎるし、軽率すぎる。紙とインクを通して誰か確かに人間が書いた物語と対峙するのがちょうどいい。私には。