「それで、天国では私の体はどうなるんでしょう?事故でぐちゃぐちゃの体のままで居るのは辛いのですが」
「ええ、ですから、貴方が最も満たされていた瞬間のお姿に変われるのです」
「というと、いつ頃だろう?20歳になった頃でしょうか?それとも、もっと若く?」
「それは変わってからでないとなんとも」
「……私は自分の顔が苦手なんです。いつも不機嫌そうで、整ってもいない。この顔を引きずるくらいなら、いっそ生まれ変わった方が良かった」
「でしたら、こちらの追加パックはいかがでしょう?」
「追加パック」
「貴方が生前使っていた、ゲームのキャラクター、似顔絵、なんでも構いません。あなたと結び付けられるならば貴方のお姿としてご利用いただけますサービスです。少々お高いですが」
「……それは例えば、VTuber活動をしていたとしたら、その姿になれる……と?」
「ええ、まあ、そういうことです」
「……性別が違っても?」
「……それがあなたの姿として認められていて、かつ満たされていた瞬間であれば、ですが」
「ということは私は『癒しASMR系Vtuber添音あま』として爆誕するってことでよろしいんですね!?!?」
「えっと」
「やったああああああああああああああ!!」
「あの」
「うぉぉあああああッッッやたああああああああああああああああ!!」
「癒しASMR……」
「どぅおおおおおおああああああああああ!!」
「えっと、では追加パックを適用させていただきますが」
「お願いします!!」
「……はい、ではあちらのゲートをくぐればお姿が変わりますので、このままお進み下さい」
「くぐりますッッッ!!」
「あっはい」
「……え」
「あ」
「あの、これって」
「…………貴方の最も満たされていた瞬間は、『バーチャルマーケットで六方最密充填構造のアバターを着て爆笑していた時』だそうです」