街路樹が青々とし、軒には花がそれぞれ色づかせ、下校途中の小学生たちの眩しさをこれでもかと見せつけられている。
恋人繋ぎの次元を超えてガチガチに手を結んでいる男の子たち、いくら頑張っても背中のランドセルに入らないペットボトルに笑う子ら、ピカピカのランドセルを背負った妹をしっかり手を繋いでお姉さんしている子、春の日差しに照らされるべくしてそこにある愛がいくつも存在した。
子供達はみな、ランドセルも、手提げカバンも、衣服も、統一感のない色合いで、満点の笑顔で「バイバイ!」を何度も、何度も、手を振って言い合っていた。
比べるものではないが、私の方はといえば、無造作な髪の毛に、白か黒か、灰色か、そこらへんのグレースケールにある色合いに包まれ、一人で歩いている。
この対比がなんだ、というわけではないが、私ももっと屈託ない笑顔を今からでも求めて見たら良いと思う。前に川下り(ラフティング)をした時に、川の途中で撮られた写真のどれもが無垢な笑顔だった。自撮りで友達と映る自分や、鏡に映る自分の、どこにも見つけられない表情でそこには存在していた。
整えて美しくなろう、というのも良い心意気だが、今は、帰り道に「お疲れ様」や、「また今度ね」ではなくて、「バイバイ!」を笑顔で言える心を探してみたい。