日付を見て、なんだか馴染みあるように思えたのが不思議で、なんの日だったかな、と思っていると、はじめて付き合ったひととの記念日だったのをさっき思い出した。
はじめて、といっても、本当の初めてか、厳密に考証するとそうではないんだろうが、私にとっては、そのひとが、はじめて心から好きになったひとだった。その気持ちに今も偽りはない、自信を持って言える。
本当にいろんなことを経験させてもらったし、それで得た価値観は、今の私をしっかりと生かしている。
「戻りたいな」みたいな未練は微塵もない。違う道を歩むと決めた時ですら、胸には感謝以外なにもなかった。だから今でも、その人のことを思う気持ちは、優しい温もりのままだ。
おかげさまで、という言葉が、陰への感謝を示しているように、私が日の当たる道で歩めるのは、私の陰に、そのひとの存在があるからだと思う。ありがとう。今どこで、どういうひとと、どういう気持ちで過ごしているのか、なにも分からない。ただ私を今もここまであたたかくしてくれる人が、その人にとって孤独感のない日々を営んでいるといいなと思う。