料理が好き。けれど人に「趣味は?」と聞かれて言える趣味に、料理が挙がることはない。趣味として人に自慢できることではなくて、趣味として自分のご機嫌とりのひとつなのが、わたしにとっての料理である。
レシピは見る。けれど多少手順が前後してもやりたい作業から行い、割合だけを覚えている調味料を目検討で継ぎ足し、できあがったそれを美味しいと思えた時、料理が好きだなと思う。手順通り、指示通りの方が堅実に美味しいものができるのは間違いないが、やりたいようにして、自分の食べたいものが出来上がる。これは素敵なことだと思う。
料理で得られる生産性というのは有り難く、かんたんにI did itを得られる。人生参ってる時、出汁と卵一つ、水少々をかき混ぜてレンチン600W2分、そうして出来る茶碗蒸しなのか卵焼きなのか、といった物体に、曲がり切っていた腰を優しく、少しだけほぐしてもらえた心地にしてもらえた。私にとっての料理とは、この程度なのだ。
自分の中に、こういう、わざわざ人にシェアすることでもないが、自分のご機嫌がとれるtipsが存在することを、ご自愛だと思っている。そういったことが他にもいくつかあるから、それは追ってまた話していきたい。
今は午前2時、「頑張って風呂に入ってくるから待ってて」という人を待ちながら、他愛もない話に興じている。この時間は確定演出と言ってもいいほど、小腹が空いてくる。加熱具合で料理名の変わる、レンチンだしたまご、作ろうかと悩む。実は茶碗蒸しになるより、卵焼きっぽくなる方が嬉しかったりして。まだ起きてるなら、あなたも一緒にどうですか。