2月のひとコマ

nthatco
·

この前病院に行ったらいつも見てもらっているが苦手極まりない先生に珍しく褒められたので、普段から語気が強いこの人は褒める時もその調子なんだと知った。診察を待っている間に「嫌だなぁ…」という気持ちと病院の空調が合わなさすぎて湿疹と動悸は起こったものの、先生のその変化のなさに対して、もしかすると私は思い違いをしている部分があるのではないだろうか。苦手なことにかわりはないが、そんな考えが一瞬頭によぎった。

身体を熱くしながら診察を終えると、久しぶりに採血をすることになったので採血をしてもらって、食堂でご飯を食べてから新しい薬を貰って帰った。食堂ではいつも決まって焼き肉定食を食べる。料理を頼んだ後に本日の日替わり定食が大好きなぶりの照り焼きだと知って、目に入るところにでかでかと書いてあるのにどうして知らなかったんだ、どうしていつもこうなんだと自分を責めながら目の前の定食を食べ始めた。牛細切れ肉と玉ねぎにタレの味がついている、もはやタレを噛むためにあるような料理に、白ご飯とお味噌汁、そしていくつかの副菜が付いている。美味しかったので後悔は消えた。テレビではゲストの人が自信満々に牛丼の食べ比べチャレンジをして失敗していた。診察時の緊張感からもようやく解き放たれた気がした。

家に帰ってから貼ってもらった絆創膏を剥がすと思っていた以上に血をカバーしていて、次の日、絆創膏の跡地が青あざになっていた。そっちはまだ消えそうにはない。近々また病院に行かなければならないので、後悔と緊張感同様に焼き肉定食を食べて青あざを消したいと思う。

@nit6gen
真昼間に月 書きたい時に書きます