「感じたことを自覚することが、創造の基本」という有名デザイナーの言葉がある。
私たちは大人になる過程で、取り入れる情報の最適化を行い、情報のフィルタリングをするようになった。その結果、感じたことをほとんど自覚していない。というか、ほとんどを自覚する必要がないものと見なしている。
「気付く」ためには、このフィルターを取り外す必要がある。フィルターを取り外す、というのは、そのまま子供の視点に戻ることに等しいんじゃないかと思う。事象をノイズとして除去するのではなく、気に留め、不思議に思うこと。
日常生活の中で、誰しもがフィルタリングしている情報の一つが、落書きである。
意識して気に留めてみても、結局のところ誰が、何のために残したものか、意味が分からない。そうしたものの存在を私たちは自覚しない。もちろんそこに存在しているが、ノイズとして除去される。