ベットで横になっていると、お腹にぼすんと娘の頭がのる。そのまま胸元までよじのぼり、私のうえでうつ伏せになった娘が「ねえ」と呼ぶ。そのまま、気持ちにこえが追いつかないというように「そういえばさ、そういえばさ」とくり返す。ゆっくりでいいよ、という言葉をさえぎって「かか、おたんじょうび、ほしいものある?」と勢いづいて聞く。胸の間から細く熱い何かが喉を通り、こめかみに広がったように思う。その熱をなだめるように、娘の頬にかかった髪の毛を指先で耳にかける。
ほしいものを問われて、わざとらしくうーん、と声をもらし考える。目の中に満ちた期待を隠しもせず、娘はまっすぐに私を見る。そうだなあ、と言うと娘がずいと身体を寄せた。娘ちゃんと、ととがいてくれたらいいかなあと言うと「そういうのじゃなくってさあー」と笑い、きゅっと腕にじゃれついてきた。