「うわぁ、懐かしいことしてんな!?」
某青い鳥の魔女狩りを思わせる騒動からはや数ヶ月。
僕は一次創作を主軸とするSNSにほぼ入り浸りになっており、その日も画面をスクロールして遊んでいた時のことだった。
複数のフォロワーの書いたものに懐かしい文字が並んだ。
CardWirth。
紛れもなく、僕が【15年くらい前】に『ほんの触りだけ』プレイした、フリーソフトのPCゲームである。
キャラクターを作り、【技】や【魔法】のカードを揃えて剣と魔法の世界を満喫しよう! 的なゲームでもあり、このゲームを開発した方はTRPGを参考にしているからか『探索』には『鍵開け』や『目星』に該当する【技能】の成功・失敗判定などが存在【できる】ゲームになっている。
戦闘に関しても、TRPGにおける『攻撃』や『防御』などの成功・失敗判定が自動的に行われるなど、中々画期的なゲームである。
いわば、一人で自由にキャラクターを作成してできるTRPG風ゲームエンジン、と考えてくれればわかりやすいのだが、
『TRPGとは何ぞ???』
『げぇむえんじんってなぁーに???』
となってしまう方もいるだろうと思うので、まぁそこは『なんか一部の人にはものすごく画期的で、ハマる人は一生やってるゲーム』くらいに思ってくれれば良いだろう(※良いとは言っていない)。
さてさて、この【CardWirth】なるゲームであるのだが、ただ【CardWirth】というゲームをダウンロードして手に入れただけでは『遊べない』のである。
『え? 普通、ゲームってそれ単体で遊べるものなんじゃないの?』
という疑問が上がるだろうが、【CardWirth】はそのようなゲームではなく、『シナリオ』なるものを別途でダウンロードして、【CardWirth】の『Scenario』というファイルにぶっこまなければ【ダウンロードした意味がまったくない】ゲームとなるのである!
『シナリオ』というのは所謂『本』のようなもので、これを有志の方がエディターを駆使して作り上げ、物語や世界観の一部として世に出しているものであり、CardWirthにおける一番重要なものである。
一番重要というか、これがなかったらCardWirthは正真正銘『ドライブ容量を圧迫するだけのこやし、もしくは案山子』でしかなく悲しいことになる。
まぁ、そんなこともあり───当時、僕はこのゲームを【母のパソコンで】ダウンロードし、初期から入っている『ゴブリンの洞窟』だけプレイして、
そのまんまアンインストールしたのである。
当然であるが、人のパソコンであったためにカスタマイズもクソもなく、どこかからシナリオを持ってくるわけにもいかず、【当然、仕組みを理解するためにCドライブを暴きまくる】わけにもいかないので、【やるだけやって見なかったことにした】のである。
いやぁ、若気の至り(※違います)。
やり始めた理由も、当時やっていた一次創作の、メインの舞台としていた町の名前が【リューン】と同じだったからである。
どうしてもやりたかったんだろうね(言い訳)
だってそんなんテンション上がるだろ!(逆ギレ)
はい(冷静)。
それで、そんなことを思い出しながら「そういや、今なら自由にできるんじゃない?」と思い、早速ダウンロード。
これが悪夢の始まりである(※この後沼る)
さて、まずはキャラクターの作成から始めねばなるまい───そう思ったまではいいのだが。
昔と違い、デジタルで描く絵の世界に気軽に飛び込んだ僕は普通に考えて、いや、常識的に考えて? ………えーと。
まぁ、とにかく今は便利なデジタル絵を描けるツールがあるので、キャラクターに必要な『グラフィック』を【自作】して、ゲームの中に登場させることは容易い。
デフォルトのキャラクター用グラフィックもあるが、やはり味気ない。
あの頃は無理やり顔や髪色が近いキャラクターを選んで配置していたが、出来るんならやらねばなるまいよ! という謎の使命感もあり。
然し、ここで致命的な問題が。
この僕、デジタルで色を塗るときに『めちゃくちゃ乱雑』なのである。
どれくらいかというと、各所から『絵を描くのやめたら?』と言われそうなくらい乱雑なのである。
デジタル絵には『クリッピング』という、あらかじめ色を塗った場所に重ねて色を塗れるみたいな機能があり、これで線画からのはみ出しを防ぎながら色を塗ることが可能なのであるが………
この僕、『線画がそもそも一本の線で描けない』という【全絵を描く人類から溜め息を吐かれるレベルの駄目さ加減】を持っているのである。
描くのやめたら? 僕……
それはともかく、そんなハンデを抱えた人物が【キャラ用のグラフィック】を拵えられるはずもなく、『色を塗ったところで薄塗りばっかり』の自分にはどうしようもない……
じゃあ、ドット絵で描けばいいのでは?
解決した(※描けるとは言っていない)。
結果、『描けなきゃ描けばいいんだよ!!』というどこぞのブラック企業が言いそうな謎の理論により今やっている一次創作から抜粋してきたキャラクターのドットが数時間かけて完成する。
ここまで来てようやく、実際のプレイ録である。
何故か、2キャラしか作らず、【CardWirth】内に入っている因縁の初期シナリオ(因縁要素どこだよ)に突入。
『ゴブリンの洞窟』。
すべての基本として今でも半ばネタにされてすらいる、短いながらも分かりやすい名シナリオとして揺るぎなく鎮座しているシナリオである。
分かっててやったんだけど、
『問答無用でゴブリンにボコられました』。
いや、当たり前である。
そもそも多勢に無勢(物理的にも、システム的にも)も良いところで、勝てるわけもなく速攻ゲームオーバー。
何故かその後、謎の反骨精神で挑んで3回くらい死ぬ。
学習能力捨ててるAIかな????
じゃあ、仕方ない(何がや)。
味方を増やすことにした。
しかしながら、誰を入れようか……と考えつつ、一次創作のキャラクターたちを脳内で色々と動かしはしたものの、ピンとこない。
最初に作り出した二人と背中を預けて戦うビジョンがある奴らがいない。
いるにはいるのだが、今後仲良く旅をしよう! ……とするには難しい奴らしか頭におらず(どのみち『シナリオ内にあらかじめ設定された性格や喋り方になる』のでそこまで気にする必要はないのだが、どうせならちゃんと凝りたいという意味で切り捨てた)、困った。
最終的にひらめいたのは
『もう、僕とリア友二人登場させるか』
という謎の結論である。
後に、これは成功であったことと『僕』という名目で作ったキャラ(見た目はドラクエ10で作ったキャラを参考にした)は僕とは【全く関係ない方向に育って】行き、謎に良いキャラとポジションを確立するようになるのだが、
それはまた違うプレイ録で実感していただければ幸い(三日坊主で辞めたらすまん)。
最終的に、フルメンバー数である6人ではなく、僕と友人2人を加えた5人パーティーで再度『ゴブリンの洞窟』へ。
3回死ぬ。
アレーッ????????
記憶では、6人パーティーで行って問題なく突破した覚えがあるのだが、何故かボス部屋でボコられる。
な、何故に……???
6人ではないとキツいということか???
そんなに数って大事かよ!!
いや、戦争は数だったわ
いやいやいやいや。
きっと戦闘をオートで任せていたのが悪いんだ(※たぶん、大まかな原因はそれ)。
真面目に各個撃破して数を減らそ………「何だこの手札事故わァーッ!!!???」
戦闘になり、キャラクター各々に配られたカードを見て、絶句。
見切り、フェイント、防御、見切り、フェイント、防御………そして、申し訳程度の攻撃カード。
いや、戦えーーーッ!!???? 何しに来たんじゃお前らーーッ!!????
なんてこと、そりゃあ勝てるはずもない。
なんせ、倒すはずの相手に必要のない持久戦をしているのだから!!!
平和主義か!!? 対話・説得コマンドなんかねえよ!!
当然のごとく、眠らされたり防御しかしないせいで容赦なく削られていき、轟沈。
いや、ナニコレ。
なんの修行??? 忍耐???
別に耐えても打たれ強くはならないよ???
結局その後、5回くらいの全滅を経て………ようやく、チュートリアルのクリアである。
僕が何したっていうんだ………????
ちなみに、この後にUI周りを細かくなにかしたいということで、フォロワーさん方や元フォロー外の方から口々に「CardWirth Py」という有志の方が作成したらしいCardWirthの別エンジンを進められて、再びゴブリンの洞窟に挑むことになったのだが───。
やっぱり、3回ボコられましたとさ。
めでたしめでたし。