なにがしたいんだっけ

nakamura
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きのう手術の日程を決めていよいよ子宮と決別することが現実になったわけだけど、内膜症の治療のための薬はこの先も卵巣が働いている限りは飲み続けないといけなくて、つまり子宮を取ることは内膜症や筋腫といった病気の治療のためでもなくて、ただじぶんが取りたいと病院の先生に言ったから取ることになって、そのことはうれしいんだけどなんか別に意味ないことをしようとしてるんじゃないかと思って混乱してる。意味、は、わたしが望んでいることが実現する、ことにしかない。子宮を取ったらもう二度と股から血を流さずに暮らしていける。妊娠のリスクに怯えないでよくなる。生理痛で吐いたり泣いたり叫んだりしなくなる(これはピルを飲み始めたら軽減されたけど)。血栓症のリスクを負いながらピルを飲む必要もなくなる。子宮頸癌や子宮体癌のリスクに怯えないでいいし、あの痛い検査もしなくていい。子宮があるということでうけるわたしの精神的な苦痛を緩和するために行う、けど、子宮を取ったところでわたしはどこからどう見ても女だし、卵巣はあるから女性ホルモンには翻弄されることになるし(でも取ってもなんらかの形でのホルモン治療は必要なんだろう、こういうホルモンの話は勉強不足でよくわかんない、わかんないから怖くて卵巣まで取ろうと思わなかった)、膣もあるし胸もあるし、わたしのお腹のなかに子宮があるかないかなんてだれにもわからない。じぶんにしか意味のないことをするために仕事を休んで全身麻酔の手術をして1週間近く入院する? なんでこんなに混乱してるんだろう。 2021年から歯の矯正をはじめて、顎変形症だということで2023年に顎を切って手術をした。全身麻酔で1週間入院したし退院後も2ヶ月くらいは固いものや噛み切らないといけないものは食べれなかった。でも矯正前だって別にそれほど困っていたわけじゃなくて、ただ歯並び悪いの嫌だなぁ、顎引っ込んでるの嫌だなぁ、くらいだったから、これも完全にじぶんにしか意味のないことだったのに、術前の気分があのときと全然ちがう。なんでいまこんなにナーバスになってるんだろう。 歯並びをきれいにすることは世間的にも良いことだし病院に行ってもみんな矯正がしたくて矯正歯科に通ってるからなにもじぶんに後ろめたいことなんてなかった。でも今回の手術はちがう。子宮を取るということについて世間がどう思ってるのかよくわからないけど、この世にそんなことしたいひとがいるということについて考えたこともないひとがほとんどだろうし、良いこととは見なされないし歓迎されることじゃないことはわかる。じぶんのなかにある世間の目がじぶんの行動をちくちく非難してる。今回の手術について、断られてても死にたくなるほど怒ったと思うけど、話が進んでもこんなふうにうだうだ考え事してるなんて、やっかいだとじぶんで思う。いつもこんなふう。落ち込む方に思考が引っ張られがちな性分で、悪いことが起こるんじゃないかと想像する癖がある。いつもいつもなにかじぶんは悪いことをしてるんじゃないかという考えが頭の片隅にあって、怒れられることに怯えてる。この手術が終わったところでじぶんがなにも救われないことをわかっている。ずっと落ち続けていて、術後も落ち続ける。無性のにんげんはどこへ行ったらいいのかわからない。

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先祖代々々々のからだ泣かなくて水のにおいに吐きそうになる

@nkmrik
日記と思ったことと思ってないこと