友だち。10代のおわりのころからの友だち。わたしが18歳で一人暮らしをはじめて自立の第一歩を踏み出したときから知ってる友だち。5年くらいぶりにその友だちに会った。出会ったのは東京にある大学で今はお互いとおい地方都市に住んでいて、わたしも友だちもそれぞれ自分の意志で縁もゆかりも無い土地に移り住んでいて、友だちはその土地で結婚して出産して子育てをしている。感染症のことがあって会いに行くのが難しかったけどようやく会えた。待ち合わせ、うまくできるかなぁと思ってたけどなんの迷いもなくすぐにわかった。お互いなんにも変わってない。わたしはその土地に2日間遊びに行って、初日の晩ご飯と2日目の朝ご飯をいっしょに食べた。友だちはずっと好きなオタクコンテンツをいまでも好きでいて、日本各地に遠征に行っていると聞いてうれしかった。結婚や出産をしても友だちが友だちの好きなことをずっとできているなんてすばらしい。たくさん趣味の話をしてたのしかった。仕事が忙しいと言っていて心配にも思ったけど仕事の話をするときの友だちはたのしそうだったから大丈夫だろう。家族のこと、わたしが両親を苦手に思っていることや、妹とはおとなになるにつれてだんだん仲がよくなってきたことを覚えていてくれてて、そういう話を1から説明しなくてもそっかぁってわかってくれるのは助かった。友だちの家族のことも、話しているうちにどんどん思い出してきて、忘れっぽいわたしの脳みそもちゃんと友だちの大事なことを覚えていてくれてよかった。じぶんが子宮を取る話をしたとき、じぶんでじぶんが快適になるようにしてて偉い、って言ってくれてほんとうにうれしかった。友だちはひとり産んだから、もう子宮は仕事を終えたのにまだあるの?もういいよって思う、って言ってて興味深かった。たぶんふたりの感覚はちがうけど、子宮もういらないなぁっていうところは意見が一致した。
子どもを産んだら女性は変わってしまう、なんて話があるけれど、そんなの嘘だってもうわかった。子ども産んでも友だちは友だちのまま、そのままだった。
向かい合ってごはんを食べながら話してるときより、並んで歩きながら話してるときのほうが、ほんとうに言いたいことやこんなこと話して大丈夫かなぁって心配に思ってることを話しやすい、と最近思う。
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春の雨あるいは濡れた雪が降り並んだ窓にかすかに触れる