私は夢女子なのかという話

中村
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夢女子。それは特定のキャラクターやあるいは芸能人などに恋心を抱き結ばれたいという想いを持つ女性のことである。

調べたところ、

アニメやマンガなどの作品世界に、自分が考案したオリジナルのキャラクター(あるいは自分自身の投影といえるキャラクター)を登場させ、作中のキャラと懇意になったり恋愛関係を築いたりする展開を楽しむ女性のこと。

と出てきた。

以前、コスプレイベントに行った際に推しのコスプレをしていた方がいらしたので私は気持ち悪いオタク丸出しで「お写真撮らせてください!」とお願いした。「かっこいいですね!素敵ですね!」などと言った記憶もある。

その際同行者に「この子あなたのキャラの夢女子なんですよ〜」と説明され、私の気持ち悪さは(おそらく)緩和されたと思うのだが、その際に私は疑問を抱いた。私は夢女子なのか?

確かにそのキャラクターのことは好きだ。とても好きだ。お金を払ってデートしてもらいたい。

しかし違うのだ。私はそのキャラクター(以降おじさんと称する)と甘々ラブラブになりたいわけではない。

まず、おじさんは私になんの興味もなくいてほしい。そして私はおじさんが好きで、お金を払ってデートをしてもらっている。もちろんデート代は全て私が出す。おじさんはお金が貰えるからと付き合ってくれているだけのバイト感覚だ。

そういったデートを繰り返すうち、私はますますおじさんにのめり込んでいく。しかしおじさんは私のことをお金をくれる女としてしか見ていない。なんならお金をくれる動いて喋る肉、くらいの認識かもしれない。

そして5回目のデートの別れ際、私は意を決しておじさんをホテルに誘うのだ。部屋はとってあるから、と。そこでおじさんはため息をついて断る。更にお金あげるから!と言っても断られる。食い下がって理由を聞く私に、おじさんは「これから本命とのデートがあるんだよ。お、きたきた。じゃあな」と私よりスタイルが良く顔も良く若く精力のありそうな短髪の男性に腰を抱かれ、今まで私の前では見せなかったような顔で笑いながら去っていってほしい。

果たして、これは夢と言えるのか?つまり私はおじさんの金蔓にされ、最終的にスペックも何もかも敵わない男性におじさんが抱かれるというわけだが、これは夢と言ってもいいのだろうか?

だがこれを説明するとより気持ち悪くなる気がしたのでその場では夢女子ということにしておいた。

私にはもう一人推しがいる。

同じように彼も私には全く興味がない。金品を貢いでムチムチの太腿で首を絞めてもらったりおっぱいに顔を埋めさせてもらったり腹筋や溝を舐めさせてもらったり爪の手入れをさせてもらったりしたいわけだが、こちらは彼が「○○円出したら一晩過ごしてもいいぜ」と言ってくれたので必死に働いてその分のお金を用意して頼み込んで最高級のホテルをとってシャワーを浴びていざ彼がシャワーから出てきた、という時に彼の端末が鳴り、私には絶対にかけないような甘い声で電話口の相手の名を呼んで、「今から?すぐ向かうよ。待っててくれよ、オレの救世主」と答えたのを聞いて、「え、これから仕事、とか…?」と尋ねた私に「仕事じゃないけど世界一大事な人からの呼び出しでね。じゃあまた」とあっさり何もなかったように帰られたい。世界一大事な人、のところはできればうっとりしていてほしい。

そうして私は高級ホテルで一人寝るしかない、という経験がしたいのだがこれも夢に含まれるのだろうか?

いわゆる当て馬にもならない当て馬ポジション、というところにいたいのだと思う。つまりモブである。

世の中には様々な趣味嗜好があるから、これにもきっと名前がついているのだろう。

中学生の時は純粋に夢女子だったのに、どうしてこうなった?

@nkmryt
自由に書くチラシの裏です。