同人誌デザインの外注について

Nanase
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2023年、3冊の同人誌を作った(ただし、うち1冊は2024年に印刷所さんから発送される)ので、そのことについてまとめておこうと思う。

わたしはカバーを含む表紙デザインも組版デザインもいずれも外注した。ここでは外注の是非について話すつもりはない。外注をしてみての所感を備忘録として書き記しておく。

・表紙デザインについて

同人誌の表紙やカバーのデザインをデザイナーさんにお願いする方はちらほら見かける。わたしはこれまでに作った3冊の本の表紙デザインを全て別の方にお願いした。イラストあり/なしどちらのパターンもお願いした。

価格はデザイナーさんによってまちまち。直しの回数や内容も同じく。ただ、お願いしてみて感じるのは、本業でもデザインをしている方はデザインの幅が広く、しっかりと「デザイン」をしてくれるように感じた。どこかで見たことのあるデザインではなく、本のコンセプトを理解して、新しく生み出してくれる。デザイナーさんを探す基準として、金額は当然予算内におさめる必要があるが、直しの回数はあまり重視しなくてもよい気がする、というのがわたしの所感である。こちらが依頼内容を明確に提示することさえできれば、軽微な修正以外は必要のないデザインを提示してもらえる。そして、要求が不十分である場合にも、本業でデザインをしている方の方が要求を明確にするための的確な質問をしてくれるという印象を受けた。

・組版デザインについて

同人誌で表紙やカバーのデザインを外注している方はちらほら見かけるが、組版のデザインを外注している方は少ないように思う。ただし、これはわたしの活動するジャンルの非常に狭いコミュニケーション内での所感のため、事実とは異なる可能性があることも書き添えておきたい。

組版デザインを外注することのメリットは、本文の推敲にひとの目が入るということだ。もちろん指摘してもらえることを期待してはならない。ただし、簡単な禁則処理は組版デザインの範囲内として行ってくれる方もいる。当然デザイナーさんや契約条件によりけりだ。

本作りにあたって、考えて決めなければならないことはたくさんある。本文のページ数を1ページから始めるか、3ページから始めるか、もしくはそれ以外か、など。そんな初歩的なことについても、デザイナーさんから確認されて回答するという過程を積み上げて、本を作り上げることができる。本作りが一人きりではないというのがとても心強い。本を発行するにあたって自分以外のひとの目が入るというのはとても大きなメリットである。

組版デザインを外注するからといって、任せきりにすることはできず、結局は自分で決定しなければならないので、外注すると楽かというと意外とそうでもない。お願いして作ってもらうというよりは、二人三脚のイメージに近い。長期間(条件によるが1か月以上)かつ非常に多くの回数のやり取りが発生するため、デザイナーさんとの相性も大事である。相性を見極めるためにもデザイナーさんのサイトやSNSなどは入念にチェックした方がよいと感じた。幸いわたしはとても素敵な方にお願いすることができて、今後もずっと同じ方にお願いしたいと思っている。