2024/03/27

nobuz
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不幸というのは音もなく訪れる。

例えば「買ったコーヒーの蓋が閉まっておらず、溢す」とか、「人が多すぎてスマホの回線が途切れる」とか、「帰りの電車が全て遅延する」とか。

これらの不幸に共通しているのは、「自分が何かをしたところでどうしようもないこと」である。深く考えても無駄。

この考え方は、遠い昔に聞いた「ラッセル: 幸福論」にあることを思い出してすこし読む程度に過ぎないが振り返ってみた。今回はそれについて書いて行こうと思う。(堅苦しくないようにざっくらばんに書く)

  1. ラッセルとは?

ラッセルとは、イギリスの哲学者、論理学者、数学者である。代表的な著書として「Principia Mathematica」がある。

貴族家系出身で順風満帆な人生を送ると思われたが、幼い頃に両親が他界。引取先の祖母が熱心なクリスチャンであり、徹底的なピューリタン教育(質素な生活をするのが一番良いという思想。日が落ちた後は椅子に座らない、風呂は水風呂のみ等)を受けた影響で人生に絶望し、思春期に自殺を考える。

その後、努力の末にケンブリッジ大学に入門し自信を支える唯一の趣味である数学に没頭し、著書「Principia Mathematica」で一躍有名になる。

その後は、自分の人生の経験から幸福について考えるようになる。

人生の後半では平和に対する活動を盛んに行い、有名な「ラッセル=アインシュタイン宣言」を行なっている。

  1. 真に幸福な人間とは?

結論: 幸せになるためのアプローチ方法は2つある。1つ目は、不幸になることを極力避けること。2つ目は、幸福になるための方法を知ること。両方を兼ね備えた人間は、ラッセルの人生経験上幸せである。

  1. 不幸になることを極力避ける

不幸になる原因は大きく分けて3つある。

  • 罪の意識

  • ナルシズム

  • 誇大妄想狂

罪の意識とは、普段から自分のことを下げるような考え方を持つ人を指す。例えば、「どうせ自分はダメなんだ」「理想の自分には程遠いな」「なんで無価値な自分なんだ」など自分を下げる思考を持つ人だ。これらは、幼少期に周囲の考えを刷り込まれた結果陥る意識で、まずはこれらから解放されることが大切である。

ナルシズムとは、自己の過大評価と承認欲求を指す。この2つはあってはならないものではないが度が過ぎると不幸になるものである。これらの原因は、自信がないことである。自信がないと承認欲求が高まってく傾向にある。しかし、これには際限がなく不幸に続いている。自信をつけるにはまず自尊心をつけることが大切である。

誇大妄想狂とは、権力を求め過ぎたために愛情ではなく恐怖で支配することである。権力を求めること自体は悪いことではなく人間の本能として正しい事柄である。が、求め欲求のままに振る舞うことで人々の反感を買い、最終的に不幸になってしまう。

これら3つの事柄をうまくコントロールすることで人の幸福度は「マイナス→0」にすることができる。これがスタートである。(本著では、これらをさらに分類しているが今回は長くなる為省く。)

  1. 幸福になるための方法を知る

幸福になるための方法、すなわち人の幸福度を「0→∞」にする方法は2つある。

  • 私心のない趣味を持つ

  • バランスを取る(中庸)

私心のない趣味を持つとは、

  • この趣味をすることのメリット

  • この趣味をすることの意味

  • この趣味をすることの目的

のような利益を考えずに、ただすることが楽しい趣味を持つということである。このような趣味は、瞬時に没頭できるので悲しみを癒す、気分を転換させる効果がある。辛いこと、悲しいことはうだうだと考えてしまいがちだが、趣味があればそれに没頭するだけで軽減できる。

バランスとは、努力と諦めのバランスである。

真に幸福になるためには、多少なりとも努力や諦めない心が必要である。しかし、努力をしたからといって必ず報われるほど現実は甘くないのも確かである。幸福になるために諦めも必要なのである。

ただ単に諦めるのではなく、諦めたことによって得られた貴重な時間や感情を別の興味へと注ぐことが大切である。

  1. まとめ

  • 不幸の根本は自己没頭(視野が狭くなること)

  • 不幸になりやすい人間は、大きく3つの過ちを犯している

  • 周りの人間に左右されて、夢を捨てるな、自己から溢れ出る欲に忠実であれ

  • 私欲のない趣味と努力、諦めのバランスを突き止めるのが幸せへの近道

  1. 最後に

最後に自分の意見、感想を書きます。

経験則から論理的に幸福は何か?を追及したのが結果、周りにとらわれずに好きなことの幅を広げていくというのがこの論かなと思いました。

「嫌なことからは逃げてもいい。ただし、みているだけじゃ逃げてることにならない。嫌なら嫌なりに何か行動をしてみる。」これが大切だということを実感させてくれる本だなーと思いました。

辛かったら人に頼るでもいいし、文章にするでもいい。それだけでも、1人じゃないことを実感できるし、実際1人じゃない。助けてくれることもある。歴史から学べることは大きい。

ちょっと長いけど、よくまとまってると思ったのでリンクを貼っておく。