おおらかで人情、人望もある、そんな上司の愚痴を聞いていた。基本愚痴を言わない人なので本当に珍しい。
とある人物のクレームが入ったという。それについて「アイツは一見すると普通なのに、話すと性格の悪さが滲み出てくるよなあ……」としみじみこぼしたので、失礼ながら大笑いした。そんな人の尻拭いをしているのだから、そりゃあ愚痴のひとつやふたつこぼしたくもなるよね。ただでさえ自分の仕事で忙しいっつーに。今日は4つエピソードがあったのでよほど溜まっていたに違いない。
件の人は性格が悪い。私もそう思う。私も悪いが、種類が異なる。件の人の性格の悪さは自己肯定感の低さが関係しているように見える。他人をヨイショするために、自分や周囲を下げるのはその人の十八番。純粋に相手を褒めるってことができない。シーソーのように必ず誰かを上げ、誰かを落とす。
息を吸うように自分や周りの人をバカにするので、自己肯定感を低くするセルフ永久機関の出来上がり。
私もバカにされたことがある。その時は「なんで私のことをバカにするんですか?」と文句を言った。すると、そういう空気だったじゃん?と言い訳を並べるので「私をバカにする空気では全くありませんでしたが?正当な理由なく私をバカにするのはやめてください。不愉快です」と猛反撃してからはバカにされなくなった。自己肯定感低い人は籠城できても攻城戦に弱い。
それと面倒くさいというのが顔にも声にも出る。仕事をする上でこれはね、よくないよね。私も気をつけなくちゃならない、だから件の人は反面教師たる存在でもある。
そんなだから取引先から優しくないやら、感じが悪いやら、あの人はちょっと……というクレームが入るんだろうね。まだまだ人情で仕事を売る業界だからなあ。メールだけで終わり、なんてことにはならない。でも件の人はメンタル弱いからメールだけで済ませたい、結果、素っ気ない文面(柔らかい文章を作るのもまあ下手くそなんだ)だけのやりとりになり、人が離れていく。
持ちつ持たれつができないと、難しいよね。共感の仕方ひとつで印象も変わるし、うんうん頷いていればいいってもんでもないしさ。毎日が勉強だよ。