心にどくをためている

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ずっと封じていた過去のきおくの蓋を開けた。

私は毒親育ちだ。

ぽっかりと開いてしまったきおくの蓋からは、

長らく蔑まれてきたこと、

悲しい記憶、

怒りが

みるみるうちに溢れてきて濁流となる。

毒親育ち、と言っても、一般の人にはきっと理解して貰えないだろう。

同時に、私も一般家庭の子育てを知らない。

友達のいなかった私は、長年叱り付けられるのも、日常的に叩かれるのも、酷い時は足蹴にされるのも。

親の機嫌を取らねばならないこと、私の声が煩いからと黙らねばならなかったこと。行動が遅いと罵られてばかりだったこと。

それら全てが自分のせいだと、自分が全て悪いのだと思い込んでいたのだから。

最近知ったことなのだけど、こういった感情は、吐き出さないと心の重しとなって悪影響を及ぼすらしい。

普通に生きていても、愚痴を吐かないとやってられないことがあるのを私は知っている。

毒親育ちは子供の頃から愚痴を封じられていたため、耐える事が得意すぎるのだ。

きおくの壺から溢れた濁流に呑まれる。

けれどそれは、確かに私が感じていい感情だった。

見て見ぬふりなんてするものでは無かった。

数十年ぶんのそれを受け止めるのは、大人になった私でもかなり辛い。

けれど少しずつ、少しずつ

本当の私に近づくために。普段の生活から何事も耐え抜くような癖がついてしまった私を救うために。

少しずつ。

この濁流を、

おだやかにしていければと思う。