賽の河原って、積み上げた石を崩しに来る鬼がいるらしいけど
たぶん、不安定な石を積み上げ続けるのって、リセットされないほうがつらい
どのくらいの高さにすれば、どういう形にすればゴールなのか分からないままに
足元の石をひとつ、またひとつ積み上げてはみるけど
形が整ってもいない石なんて、バランスが取れるわけもなくて
時にコロリと、時にガラガラと、崩れ落ちてしまって
「ああ、元に戻さないと」と思ったところで、数刻前の山の姿さえ朧気で
悪鬼がいれば、全部そいつらが悪いことにできるのにね
<今日の短歌>
俯いて 過ぎた岐れの ケルンにも
眠る 誰かが蹴飛ばした夢