両親のことを想うと、どうしてか涙が溢れてしまう。
わたしが小学生〜中学生のころ、両親がつぎつぎに病気をした。どちらの病気も簡単に治る類のものじゃなくて、あの頃から両親の身体は元気いっぱいとはいえないものとなった。父は働き盛り、母は子育て真っ最中に、どんな気持ちで病気と向き合ってきただろう。自身の病気よりもきっと、わたしたち子どものことを考えてくれたと思う。たくさんお金も苦労もかけてしまった。だからこそ両親の病気を思うと、心が痛い。もう20年以上ずっと痛い。
数年前に心の調子を壊した時は、両親を心の中で強く責めた。今思うと無理に因果関係をつけただけのように思う。この心の不調の根本原因を見つけて楽になりたかった。原因が見つかれば解決策を立てられると思ったから。いまの生きづらさに説明をつけるために育ち方を見直したら、両親の存在に行き当たった。ひどい話だ。
あのとき、両親に直接責める言葉を言わなくてよかったなと思う。ひたすらノートに書き留めていた。元気になったいま思うのは、両親を責めることで甘えていたなということ。両親がその的になってくれていたんだなと言うこと。恥ずかしい。あのノートは燃やしたい。
両親を想ってでる涙は、心の痛みと感謝、その両方から来るものだ。だから気持ちが揺らぐ。ベクトルが違うものを同時に感じるから。両親がくれた愛情はあまりに純粋で無垢で、恐れ多いほどだ。だというのに、同じだけのお返しを両親にできる自信がない。情けないことに。でも、同じところへ返すだけじゃなくて、自分が見つけた大切な人に愛情を持って対峙することの方が意味がある気もしている。まとまらないけどそんなことを思った。