眠れぬ暗室のチュン

amichun
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「眠れない時は、一度ベッドから離れ、身体の温度を下げる。再びベッドに潜り、寝具の滑らかさ・匂い、身体が沈む感覚に意識を集中させると次第に眠りにつける」 と、ていのいい言葉を呟きたかった。

眠りにつけない要因は、過去の出来事を思い出し気に病んだことにより、自律神経が乱れ生じた喉のつまり感だ。その出来事によって付いた傷を予期せぬきっかけで抉ってしまった。

自分が自分以外の存在の力で傷ついたとき、今まではメンタルの弱い自分、精神力のない自分、非常識な自分のせいにしてきた。

文句や愚痴を吐いても、やはり私が弱いから…と最終的に自分自身で傷を深めていた。しかし、今回は今までとは少し異なる。自分が傷ついたと感じた出来事を自分の痛みを無視した解釈で放置したくないと思った。事実関係はどうであれ、傷の大小がどうであれ、客観的に見たときの事の大小がどうであれ、自分の感情に素直でいたい。「やはりあのときの出来事はどうしたって許せなかった」 その感情を婉曲せずにそのまま咀嚼したい。それに、その場限りの許せなさではなく、ぼんやりとしていた嫌悪感が気づかぬうちに輪郭を帯び、ハッキリとした嫌悪が形成された瞬間でもあった。だからどうしたってこのまま関係性を継続するのは難しかった。私はちゃんと傷ついたことを自覚していい。その傷を見て見ぬふりせず、傷をつけた者を全力で拒否してもいいのではないか。

一方で、誰かを全力で拒否するということは、罪を背負うことになるとも感じる。なぜなら、今後の対話を断固として拒否するということは相手の言い分を聞き入れない・受け止めないということだから。(被害者然とした発言を羅列したが、実は加害意識もあり)自分の加害性については許しているような状態だからだ。情けないが自分の加害性についてはまだ上手く言語化できない。故意に加害していたわけでは勿論ないのだか、私が傷ついたように私も相手に傷をつけ、相手を苦しめている可能性がある。

私はそれを認識したうえでそれでも拒否をする。多分覆ることはない。だから、あの出来事を完全に忘れ去るまでこの痛みと罪を背負っていくと決めた。

もうベッドに潜った時間まで遡ることよりも、朝日が登るのを待つほうが早い時間になってしまった。おやすみ。はやくおやすみがしたい。

@noon
観察の記録