むかしむかし、天界に織姫(美亜)と彦星(紫皇)がおりました。ふたりはとても仲が良く、織姫の傍らにはいつも必ず彦星がいました。
織姫は優しくまじめで働き者。毎日機を織り、仲良しの動物(竜)の世話をし、美味しいお菓子を作ります。織姫の作るお菓子や料理はとても美味しいと評判です。またハーブティーを作るのが得意で、いつも仕事に区切りがついた午後には彦星と仲良くお茶会をしていました。
彦星は有能だけれど口が悪く態度もでかいので周りから少し恐れられていましたが織姫にだけは態度が軟化するようです。なんやかんや文句を言いながらも織姫の手伝いをしたり、織姫を狙ってくる魔物や人を撃退したり、動物(竜)の世話(牽制)をしたりと忙しく働いています。またあらゆる情報を集めるのが得意なため、織姫のためにハーブの情報を手に入れたり贈り物のネタを仕入れたりしています。
そんな彦星には父親である天帝(しおパパ)がいました。
天帝は彦星が織姫にかかりっきりなのでちょっと寂しく思っていました。
「僕の息子くんは織姫ちゃんが大好きだねえ。僕ももっと構ってほしいなあ」
天帝は息子くん大好きな構ってちゃんでした(?)
そういうところが息子に嫌われる原因なんだけど本人は直す気もさらさらないようです。そういう自分を棚に上げるところが親子そっくり。
話を戻して。
織姫と彦星が毎日ラブラブしているのを見ていた天帝はある時ふと思いつきました。
「ちょっと楽しいこと思いついた。2人を天の川で引き離してみたら面白そうだねえ! 息子くんが僕に構ってくれたらまた戻せばいいし。僕のちょっとした悪戯心(サプライズ)♡」
そういうと、天帝はぱちんと指を鳴らしました。
するとどうでしょう。織姫と彦星は強い魔力であっという間に引き離され、二人の間にごうごうと流れる星の川が出現したではありませんか。
激しく流れる星の川に織姫はびっくりして仲良しの竜をぎゅっと抱きしめて固まっています。
一方、せっかくのラブラブデート中に強制的に呼び出されて呆然としている彦星に、天帝は語りかけました。
「やあ、息子くん。最近構ってくれない息子くんに僕からの悪戯(サプライズ)! 織姫ちゃんには申し訳ないけど、今日、7月7日は親子水入らずで僕にたっぷり構ってもらうよ」
「……は?」
「なんならこれを機会に今日からパパって呼んでくれてもいいからね! さあさあ遠慮なく」
「ふ ざ け ん な。帰れ!」
ああ、やっぱり。いきなり織姫と引き離された彦星はカンカンのガチ切れです。
こってりみっちり怒られてシュンとしている天帝をガン無視して、彦星は魔力を解き放ちました。天界随一を誇る彦星の魔力はまたたく間に天の川をカチンコチンに凍りつかせ、彦星は悠々と凍った川を渡って織姫の元に急ぎます。
程なくふたりは再会し、少し遅れたお茶会を楽しみましたとさ。
めでたしめでたし。
ちなみに7月7日に雨が多いのは怒られてしょんぼりしている天帝の心の涙雨……だとかなんとかいう説はないです。
教訓。彦星から織姫を取っちゃダメ絶対。
あと天帝は彦星に構い過ぎないように(でも反省していないのできっとまた何かやらかす)
天帝は本来は織姫の父親だし勢いだけで書いたので途中で力尽きてぐだぐたしてるけどまあw
以上、思いつき劇場でした(。-∀-)