2年半前に大学院進学のため会社を辞める以前によく通っていた会社近くの喫茶店があった。3ヶ月前に復職したときに行ってみたら雨漏り(ニュースにもなった品川・大井町の大雨のせい)の改修のため10月からオープンします、という張り紙があった。だから10月に出社した時にまた行ってみたら今度は11月からオープンします、と書いてあった。11月にまた行ってみたら「12/1からオープンします。スミマセン」と書いてあった。今日その店へ行ったら線が一本足されて、「12/11からオープンします。スミマセン」となっていた。このまま閉店してしまうんじゃないか、と少し心配になった。
村上春樹の短編とかだったら、喫茶店が中々開かないのも、友人からの手紙が返ってこないのも僕の精神的な何かに要因があるのだろうが、ここではそんなことはない。雨漏りは雨漏りで、友人は友人で、自分は自分だ。出来事全てが何かのメタファーではない。物事はバラバラで、ただたまたま韻を踏むだけ。
午前中の仕事を乗り切った。イベント対応で、通常業務が全然進まない。昼休みの時間になったので、全てを宙吊りにして、喫茶店の代わりにルノアールに来た。
仕事をしていると他人からの自分の評価と自己評価の距離感がよくわからなくなる。とんでもない無能だと思われている気がすることもあれば、まあまあ仕事ができると思われているように感じることもある。先週は全然仕事に手がつかなかったので、自分はどうしようもなく仕事が出来ないやつだと思われてるだろうな、と思いつつ出社したら後輩に褒められたり上司と談笑できたりして、少し元気が出ることもあった。
ここしばらく、完全に一人でゆっくり過ごす時間を全然取れていない。2ヶ月くらいずっとそうのような気がする。切実にそういう時間がほしい。来週代休を取るしかない。
19:17
仕事を終えた。
時間がなかったり締切が迫っている時ほどスイッチが入って仕事を頑張れることが多い。最近何もかもを「頑張り」で解決している気がする。いいことでも悪いことでもある。この数年でなるべく剥き出しの自分で人や物と接することを頑張ってきたが、そのぶん受ける影響やダメージも剥き出しで被ることになる。自分を守るために苛立ちや冷徹さを纏うのが正しいのだろうけど、そうしたくないとも思ってしまう。
21:54
向かいの家のテラスに電飾が飾り付けられていた。最近経ったばかりの家で、人が住んでいるのかどうか今まではよくわからなかったけど、電飾がついたということは誰かが住んでいるのだろう。家を飾り付けるのはそこに暮らしがあり、その住人が社会や地域に開かれる姿勢を持っていることのアピールでもあるなと思った。実際僕は電飾を見て少し安心した。所有のアピールと捉えることもできるのだろうが、そもそも家は建った時点で住人がいなくてもすでに空間を占有している。「誰でもないものに所有された家」が「誰かに所有された家」になり、かえってアクセス可能になった感じがある。
昨日注文したMacBookが届いた。さっさとセットアップして、DAWやプラグインを引き継がなければならない。古いパソコンはもう使い物にならない。いっぱい音楽を作ろう。