『その男、凶暴につき』を見返した

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映画『首』を見たのがきっかけで久しぶりに『その男、凶暴につき』を見返した。

あの時の衝撃が今は無かったな。

初めてこの映画を見た時、僕は鬱だった。常に明日死ぬことを考えていた。将来のことなんか一ミリも考えていなかった。その精神状態と、安い鼻炎薬でダウナーになった頭で見たこの映画は最高だった。常に死の匂いがしていた。自分の命を粗末にしていた。相手を殺すことさえできれば生きることなんてどうでも良い、という感じ。だから平気で人を殴れる。世間にどう思われるかなんてどうでもいいからだ。どうせ明日死ぬんだから、そんなこと考える必要はない。

この映画と『ソナチネ』もそうだが、擬似的に自殺を体験していたのかもしれない。だから好きだったのかも。

今は当時に比べれば生きたいと思ってしまっているし、未来を考えたいと思ってしまっている。死にたいのは相変わらずだけど。