コロナ禍でマスク着用や手洗いを真面目に励んだ結果、風邪というものを全くひかなかったのですが、小学生の子らが持ち帰ってきたのか、急な寒気と発熱、猛烈な喉の痛み、続く咳という完璧な風邪をひいてしまいました。「暖かくして寝る」という、こちらも風邪に対抗するにふさわしい完璧な体制で臨んだにも関わらず、2日かけても治らず、喉の痛みに関しては逆に悪化したので、この体はこの数年の間で風邪への対処の仕方を忘れてしまったのだと思いました。風邪の素になっている微細なナニかは、一体宿主を弱らせて何がしたいのか、と声を大にして言いたくても言えないくらいの喉の痛みでした。
発症から2日後、息を吸っても痛む喉に耐えかねて、近所の病院へ行ったのですが、「風邪症状の方は車の中から電話してください」との張り紙がしてありました。まさかの電話診察。車の中での待ち時間、咳をしても一人。病院でもらった処方箋はドライブスルーのある薬局で薬を受け取り、風邪をひいても腹は減るので飲食店にスマホからモバイルオーダーをしてドライブスルーで受け取るなどして、コロナ禍を経て進化した非接触なシステムをありがたく使わせていただきました。
ひどく悪化してしまったのに、病院で処方してもらった薬というのは効果てきめんで、1回目の服薬後から、身体のつらさが70%くらい激減しました。薬を飲んで何もせずひたすら寝るというのも効いた要因かもしれません。うろ覚えですが、養老孟司氏が著作の中で「複雑な構造の人体に薬のようにケミカルなものをいれるのは恐ろしい」みたいなことを書いていたのを読んでから、間違った方向に解釈し、薬を飲まないがサプリメントは飲んでいたという、今から思うと厨二病的な拗らせ方をした時期が私にもありましたが、もう無理です。あの頃は全く風邪を引かない超絶健康体だったけれども、それ相応に老いて、仕事も持ち、自分以外の人々の面倒も見ないといけない身分になり、悠長に治るのを待っていられないし、痛みに対して我慢強くもなく、早々に楽になりたいので、今後も積極的に医療のお世話になることにします。二日くらいで治りました。