普段から意識している些細な事「風の便り」という美しい日本語

ぬまこ学園
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公開:2023/11/29

私は普段から意識している些細な事の1つに「風のうわさ」という言葉を使った人がいたら、「風の便り」が正しいと訂正するというのがあります。

「風のうわさ」は誤用で、「風の便り」が正しい使い方です。

「風の便り」はどこからともなく伝わってきた、出所がわからないうわさの事を現します。

風が我々に何かを知らせる、または風が使いとなって、我々に知らせるという誰が言ったかわからない出所の無い情報を風が運んできたという比喩的に表現した言葉です。

うわさって直接言うよりも風の便りって言った方が、柔らかい印象もあり、日本語らしい表現で、とてもきれいな言葉だと感じていて、個人的にも好きな日本語です。

「風のうわさ」ってどういう意味と聞いてみると、「風がうわさを運んできて~」とか説明をされますが、うわさの比喩表現が「風の便り」なので、風の便り=うわさなのです。という事は風のうわさ=うわさなので、もう意味がわかりませんよね笑

日本語を正しく使ってほしいと思っているわけではありません。日本語は元々話すための言葉で、他の言語(主に中国の漢字)などを借りてきてむりやり文字を当てて使われていたので、漢字の読み方などは無理矢理当てて読まれている物も多いので、正しく使えなくて当然くらいに思っています。

例えば、間が持てないが正解なのに間が持たないと言ってしまったり、押しも押されもせぬが正解ですが、押しも押されぬと言ってしまったり、熱に浮かされるが正しいのに熱にうなされるという間違いも良く聞きます。

漢字の読み間違いでも、出生率を”しゅっせいりつ”と呼んでしまったり(正しくは"しゅっしょうりつ")と日本人でも間違える言葉はたくさんあります。

しかし、近年では重複は”ちょうふく”が正しいとされますが、あまりにも間違える人が多いので、広辞苑では本来正しい”ちょうふく”でも、慣用読み(使い慣れて、定着した読み方)としての"じゅうふく"でもどちらも載っており、今ではどちらを使っても問題ありません。免れるは”まぬかれる”が正解ですが、どう考えても言いにくいですよね?"まぬがれる"でいいでしょって思ってしまいますし、こちらも”まぬがれる”でも良いと載っています。

日本語は声に出すと間違えやすい言葉が多いので、こういった間違いは使いやすいように変わっていっても問題ないと私は思っています。

ただ「風のうわさ」は間違えるにしても意味のない間違え方だと思います。言いにくさもないし、うわさを直接言わないための表現として使われていて、本来の「風の便り」という言葉は日本語を象徴するようなきれいな表現なので、私はこの比喩表現が好きなので、正しく使われて欲しいと思っています。

ここまで長々とどうでもいい話をしてしまいましたが、個人的に風のうわさって言っている人がいたら訂正するという事が普段から意識している事の1つで、1人でも多くの人が「風の便り」という正しい言葉で使ってくれると嬉しいなと思い書いてみました。

みなさんは普段から意識している些細な事ってありますか?

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