最近の娯楽は本当に、純粋に明るい気持ちで楽しいと思える作品が少なくなった。
今は楽しませるより、刺しに来てるよね?と言いたくなるほど、ショッキングで心がえぐられて悲しい気持ちになる作品が増えた。
(人以外のキャラもいるけど)人が苦しんだり傷つく姿や残酷で陰鬱な展開を喜ぶ人が多いから、作り手も売れるために作ってるのだろうけど、まるで利益や名声のために手を黒く染めて堕ちていくお偉方の姿を見ているような気分になる。
作り手も悪趣味なものが好きで望んで乗っかって作ってるケースもあって、そうなると救いようがない。ショッキングな展開は悲しい、もう少し優しい展開が欲しいと言っても声が届く事はないだろうと確信する。
そして私の願いも虚しく、制作陣が露悪趣味に傾倒しキャラが歪み虐げられ物語も破綻し、作品に触れる事もファン活動をする事もフェードアウトした海外アニメが存在する。(あまりにひどく広めたくないので作品名は出さない)
フィクションであれ、(人以外のキャラも…以下略)人が苦痛を与えられる姿や悪に堕ちる姿、陰惨な光景を見たら、普通の人はショックを受けるのが当然で正常な感覚なわけで。
こう言うと「正常な感覚っていうのも結局個人の価値観」と屁理屈をこね回す露悪趣味好き連中が現れそうだけど、社会や人を害さないよう共通して守るべき倫理観も個人の価値観でしかないと考える事自体が正常な感覚が欠けている。
そういう痛ましいものやグロテスクなものは大きなダメージを与え強く記憶に残るから表に出したりいたずらに多用すべきではないのに、今は全年齢向けでも普通に当たり前に出されるようになってしまった。
そして受け入れなければ心が弱い、狭量とまで言われるように…
グロテスクなものだけではなく、性的なものもそう。刺激の強いものでもどこに出されていようと、好みとして尊重しなければ人の価値観を認められない自分勝手な人間扱いされてしまう。
何のためにレーティングというものが存在しているのだろう。そもそもすでにレーティングは意味を成していない。スマホゲームのレーティングも推奨年齢が低い割に下手すればR-18レベルの反社会的・過激な表現が扱われているゲームもある。
反社会的・過激なものを好むのはだいたいオタクである場合がほとんど。偏見ではなく真面目な話で。事実に基づいて言ってる。なぜオタクには高確率でそういうものを好む人間がこんなにいるのかと思うほど。
大人でもキツいし苦言を呈するオタクも存在するのに、子供でも容易にそういった倫理観のないものに触れられてしまう状況ができているし、それを好むオタクは苦言を呈する同じオタクにさえも噛みついて声を封じてくる。
作り手は自分達が発信するものの影響力の強さや責任を考えていない。そうやって過激趣味で悪目立ちしている連中を需要や流行だと見なして乗っかるから、連中は市民権を得たとばかりにツケ上がるしあらゆる業界も乗じておかしくなっていく。
過激なものに感化されて本当に倫理観を持たず人に迷惑をかけるオタクも増えてるのに、それでも自分達の歪んだ欲望を守りたいがために、作り手にもオタクにも悪影響などないと言い張って好みの自由・表現の自由として理解し受け入れる事を強いる人間がいる。
今主張される表現の自由は、本当の表現の自由ではなく、表現の自由を利用して暴走する事を正当化してるだけだと思ってる。
自由は誰かが傷ついてる事を無視したり人を苦しめる事を喜ぶようなものではなく、人への思いやりや穏やかな空間があってこそ成り立つもので、自由にもそのために守るべき制約がある。
明らかに空気が不穏で殺伐としている上に無配慮で倫理観すら捨てているのは自由とは言わない。ただの無法地帯。
表現の自由だから、必要な展開のためだから、多様性が狭まるから、常識は時代によって変わるから…とご高尚な事を語るけど、実際は自分達が気持ち良くなってる所に水を差されたくない、自分が何をやっても許されるべきだと考えてるだけ。
そういう人達に何を言っても、まともに話は通じない。自分の快楽や利益だけが大切だから。
人が不愉快に感じるものやショックを受けるものを愉快に思う事が、今の娯楽では普通になってしまった。
作り手も触れる側も感覚が麻痺しているし、異常事態だと感じる。
今の娯楽は、誰が苦しんだり嫌がっていても何も感じない常軌を逸した感覚の持ち主だけが楽しめる場所になった。
人並みの感覚を持つ人間には、少し触れるだけでも心を病む危険な場所になった。いつショッキングな表現が出てくるか、いつ好きなものがそういう方向に歪むかわからないから。
普通に明るい気持ちで喜んで笑って楽しむ事はできなくなってきてる。いつだって警戒を解けない、安心できない、信用できない。
いよいよ娯楽自体から身を引くべき時が来たのかもしれない。
私は娯楽を心ない場所にした人々を絶対に許さない。
こうやって話しても、フィクションに倫理観は関係ないとか、探せば他にも楽しい作品はあるからそれを見ればいいと、まともに取り合われず話を流されてしまうのでいつもとても生きづらく感じている。
経験していないまたは平気か感覚がズレている人々にとっては、どこでも強制的に悪意や倫理観のない事に触れさせられたり、自分が本当に好きになりたいものほど箱を開けたらそういった内容で無念に思ったりする、そういう苦しみがわからないのだろう。
万人にわかってもらうなんて無理なのは知ってる。わかってもらえるなら今頃とっくに娯楽は心から笑って楽しめるあるべき姿に変わってるはず。
本当は今すぐ変わってほしい。私にできる事があるなら私が今すぐ変えたい。でもそれはきっと無理だから、今はほんの少しでも同じ気持ちで共感してくれる人がいればそれでいい。