雑記4

昔は人の手を見るのが好きだった。好みの手に会うとうれしかった。

大学1年の時に友達になった同級生はとても素敵な手の持ち主だった。写真に撮らせてもらった。大きな手のひらに長い指は最高の肉厚さだった。彼女は別の大学を受けなおし、翌年にはその大学へ行ってしまった。そのあとはだんだんと会わなくなったが、大学を卒業して十数年経って久しぶりに会うことになった。

彼女の家に1泊させてもらい近況報告し合った。私は手のことを忘れていた。別れるとき、彼女が握手を求めてきた。その手を見て思い出した。ああ、この手だったなあ。そして「相変わらずいい手してるなあ」と私は言ってその手を握って別れた。

それからまた十数年経って、今ふとその彼女の手のことを思い出したので書いている。

最近はいろんなものを見ることをやめてしまったな。

@nyaoish
誰も知らない