とても好きで1000時間ほどプレイした。
実家のような安心感があり、今でも時々やっている。
いわゆるポストアポカリプスだが文明崩壊直後ではなく、再び形成された社会、あるいは以前の文明に成り代わった社会があり、それが緩やかに滅びていく時代を描いているような作品である。
強い無常感と乾いた空気感。プレイヤーだからという特別はなく、その命はあっさりと失われてしまう。
荒野に屍を晒し、野盗に持ち物を奪われ、野生動物に体を食べられる。
そして、そこに特別はない。
ただのありきたりな日常であり、弔う者も振り返る者もない。
そんな世界だ。
ゲーム自体の説明は少し難しい。
部隊単位で扱うのはシミュレーションゲームのようであり、様々な建築物を作ることが出来るのはクラフトゲームのようでもある。
世界に何があったのか、多くは語られないそれを探して彷徨う。それもまた一つのプレイスタイルだ。
明確な目的は与えられないし、なにかを強制されることもない。生きること以外は自由に選択できるとも言える。
これもまた乾いているようで、どこか居心地がいい。
癖のある作品ではあるし、万人にお勧めできるわけでもない。
それでも合う人間にとっては、「あの世界に魂を置いてきた」と表現することもできる。そんな作品だ。
だらだらと語ってしまったが、このあたりで終わろうと思う。
Kenshiの乾いた風が誰かの心に届きますように。