【思考メモ】雪

モトサヤ
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朝、Eテレの俳句を学ぶ番組で「トレモロのトライアングル雪を呼ぶ」という俳句が詠まれていた(トレモロといえばRADWIMPS世代のわたし)。

そのなかで、冬や雪の音を表現するにあたり、ヨーロッパではベルやトライアングルの音色で表すことが多い。対して日本の歌舞伎において雪は太鼓の音で表すのがお約束事で〜、と、雪からうける印象の違いについても言及していた。

おお。

太鼓……!北の国の雪って太鼓のイメージが近いかも。少なくとも軽やかでウキウキするようなベルの音ではなさそう。

気候、風土、その土地の暮らしによって"雪"というものの姿かたちに対して思い描く印象や手触り、色合いや温度感なんかがまるで違うように思う。

歌舞伎で風や雪を太鼓で表すのはもちろん演出効果を狙っている(大詰の場面ではまさにクライマックスへの盛り上げにかなり貢献している)ところも大きいとは思うんだけどなんかすごい腑に落ちたな。

歌舞伎は数えるほどしかみたことがない。クーンでみた「三人吉三」はとくに「雪」が激しく、哀しく、つめたく、無常に、とにかく美しかった。大詰めの雪の演出が凄まじくて……。で、このシーンで太鼓が使われていたかというと正直記憶に乏しく、制作発表の記事とかみると「下座音楽は使わない試み」とあったのでたぶん太鼓は鳴らしていないのだろう。でもお嬢吉三がこのシーンで大きく太鼓を鳴らすシーンはあったはず。

大好きなゲーム、ブレワイとティアキンでヘブラ地方という雪原地帯がある。もちろん街もあり人も住んでいるのだけど、街から少し出ると過酷な冷たさにより適切な防具(衣類)を着ないと体力が減り続けるフィールドがある。そのフィールドBGMが静かで冷たくて厳かで、その曲もかなり北の国のイメージに近い。

人が住むには残酷すぎる土地。賢者も保護の魔法をかけてもらわないと息できないくらいの過酷な土地だってある。北の国の原始の精霊たちもすごく厳しいし。

ひとのちからでは到底 太刀打ちできない、畏怖の対象。北の国の雪も、そんなイメージ。

"生まれた街のあの白さを あなたにも見せたい" (1分25秒頃)

(Winter again 名曲すぎる)

この歌詞、たまらなく好きなんだけど、ブラッドリーもこういう感情を持ってるタイプな気がする。

彼は北の気候を、雪を、吹雪を、愛していそうな気がする。

あの土地で生まれ育ったことを、誇らしいと思っている。

北まほは基本みんな北の気候に触れるたび「そうそう、これこれ」ってなってそうだけど、ブラッドリーはとくに情緒がわかる男なので……。

ネロは北の雪についてどう思ってるのかな。白、灰色、鈍い空の色。極限の苦しさとたったひとつのぬくもり。灰色の世界に突然現れた眩しいくらいのルビーレッドの瞳。(雪景色ってブラッドリーという輪郭を際立たせるのに抜群すぎる……)星屑糖の想い出。氷の柱を立てて安全祈願のおまじないした記憶。

北の雪のこと、愛していましたか?

@o_niku_daisuki
自己紹介みたいな散文