昨日の日記です。
服を買いに行きました。
先日冬物に衣替えをしたら、あまりに若い印象の服ばかりが出てきまして、去年の私、10代でした?と思ったほど。
つまり、(好きではない言葉ですが)"年相応"な落ち着いた冬服を買わなばと思った次第です。
服を買いに行く服が無い状態を、どうにか同系色でまとめて街のコンクリートの色に溶け込もうというあまりに斬新なスタイルでお店の集まりに向かいました。
人混みが苦手な私は人の少ない地下から上がっていき、店の近くの階段を上がって店頭にある服をさっと見る、言わばモグラ叩きのような素早さで吟味していきます。
店頭に素敵な柄のボトムがあったので、それに合わせるシャツなどを買ってみようと、近くにいた店員さんに問いました。
「すみません、こちらに合うシャツはありますか」
店員さんはえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っとぉ、と、かなり間延びした声を出しながらお客さんの間を縫い、シャツね、ないんですよね〜〜〜〜〜と言いながら棚を見て回ってくださいました。
「ありがとうございます、無いなら大丈夫です」
お客さんがかなり居たのでお手を煩わせる訳にはいかない、と私はスッパリとそう言いました。
ですが店員さんもこのかきいれどき、逃すまじとばかりにそこで食い下がるような人ではありませんでした。
フリル襟や襟のないものをあちらこちらから持ってきてくださり、普通の襟はないのですが〜、と紹介してくださいます。
「普通の襟のシャツが欲しいので、すみません、無いなら大丈夫です。ありがとうございます」
私はできるだけ早く切り上げたい一心で解放の合図を送っていたのですが、全然まったく下がる気配はなく、リリースしても戻ってくる魚のような店員さんがついに放ちました。
「何かに使われるんですか?」
そう、ついに題名の言葉を返されたんです。
一瞬で脳内会議が始まりました。
何かに使われるんですか?シャツを?着る以外に?飾るってこと?破いて何かに再利用する客がいるのか?
着ます。とは流石に言えないし、絶対にそういうことではないなと分かっています。
そのうちに脳内会議の一人が言いました。
いや待て、何を聞いているのか考えよう。何かに使われるか不思議に思っている。ということは襟の形に執着する意味を聞いているんだ!
私はそこでようやく返事ができました。
「いえ、何にというわけではないのですが、こちらに(ボトム)合うものを探していまして」
そうなんですか〜。と店員さん。初手で言ったはずの言葉を繰り返しただけなのですが、ここで漸く、普通の襟のシャツはないですね〜。すみません。とリリースOKが出て、私はボトムだけ購入して足早に店を出ました。
多分しぶとい店員さんは思ったのでしょう、ボトムに合うシャツってだけなら襟なくても良いやんけ、と。
でも私は思いました。…いや、確かにそうだわ。
結局となりの服屋さんで普通の襟のストライプ柄シャツを購入し、地下を縫って人気のない道へ這い出て、素早く帰宅しました。
相手の放った言葉を理解するコミュニケーションの難しさ、謎の執着に気づかない自分。
服を買いに行っただけなのに、結構なストレスとネガティブ思考でしばらく落ち込んでしまいました。
考えすぎず落ち込みすぎず生きたいですね…