昨晩は、老猫が私のベッドに入ったり出たりを2時間毎に繰り返し、よく眠れなかった。勝手に空いてるスペースで寝てくれたらいいのだが、私が布団をめくりあげ、体をベッドの端に寄せてわざわざお猫様の就寝スペースを作らなければ延々と耳元でニャンニャン鳴き、前足で器用に私の頬をぺちぺちと叩くのだ。寝返りも気軽にうてやしない。しかし、猫の体温はこの季節とてもありがたい。そもそも猫そのものの命、存在が愛おしいので、トイレに起きたくても我慢してしまう。これではまた膀胱炎が再発するだろう。
そんなこんなで目が覚めたら部屋の時計で10時半だった。急いで起きた。朝ごはんを食べて自室に戻ると時計はまだ10時半を指している。おかしいと思ったら電池が切れていた。スマホの時計では12時を回っている。さっき食べた朝ごはんは、昼ごはんになった。
パソコンを開き仕事関連のアカウントのメールチェックを終えるとプライベートのほうもチェックする。チェックするといっても、ほとんどが通販サイトのメールマガジンなので未読のままゴミ箱送りだ。
メールマガジン、略してメルマガ。
今時、これを自分自身から配信登録をする人はいるのだろうか。色んな通販サイトの会員登録をした際に、ご丁寧にも「お得情報を希望する」に☑︎が最初から入っているアレだ。わざわざチェックを外さないと延々とお得情報が送られてくる。お得かどうかは私が決めたい。しかし私はいつもそのチェックを外し忘れる。正直ウザい。けれど配信停止の手続きすらも面倒くさくてそのままにしている。
けれど5年ほど前に、とある出版社のメルマガに自分から登録した。配信は1か月に1回と明記してあるところに惹かれた。それに毎月の新刊情報という私にとっては「お得」な情報を得られる。好きな作家さんの新刊情報など、チェックは毎月欠かしていない。そして、いつからかそのメルマガの最後に書かれる「編集後記」が目当てになっていた。2〜300文字程度で、出版物に全く関係ない、編集さんのマイブームや最近あったことなど、(悪いが特段面白いとは言えない)他愛もない話が載っている。「USJに行った」とか「風邪をひいた」とか。これは私にとって全く「お得」な情報ではない。それでも何故か毎月読んでしまう。これまでに担当の編集さんが3〜4回交代したのも文章からわかる。まるで追っかけだ。最近はこの編集後記を最初に読む。後記の意味をなしていない。
そういえば、ジャンプやりぼんを読んでいた子どもの頃も、作者のあとがき欄を読むのが好きだった。漫画の単行本のフラップ(カバーの折り返しのところ)の作者コメントも読むのが好きだ。他愛もない「日常」をその人はどの視点から切り取りどう表現するのかに興味がある、のだと思う。TwitterやInstagramとはまた違うおもしろさがある。
メルマガといえば、中学生の時、同級生の男の子が自分自身のメールマガジンを不定期に配信していた。今の若い人たちは知らないかもしれないが、そういう無料サービスがWEB上にあったのだ。
彼とはクラスも違うし、あんまり話したことはなかったけれど、何故か私は彼のメルマガを読んでいた。面白かったので毎回こっそり楽しみにしていた。もう10年以上も経った今、彼のメルマガは当然だが配信されていない。彼のユーモアたっぷりの文章を読むことができなくて残念だ。けれど彼は今、某TV局のディレクターらしく、時々番組の最後に名前を見かける。その度に彼のメルマガを受け取った気持ちになる。
発信したり、受信したり。とかく忙しない毎日だが、この日記もいわゆる毎日の「あとがき」だ。
今日のあとがきを書き終わって時計を見たら、まだ22時半。「今日はいつもより筆が乗ったなフフン♪」と鼻を鳴らしたのも束の間。私はまた電池を買い忘れたことに気がつくのだった。