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1人で楽しいクッキング (偽・中国屋台式サンド編)

洗われるたこ
·
公開:2026/7/17

おれはYouTubeを見ていた。中国の都市部に出向しているらしい、日本人の会社員男性によるストリートフードの紹介動画だ。彼は軽快に両言語を扱い、見たことのない料理にも攻めの姿勢で挑んでいく。

そこで、「肉夹馍 (ロオジャーモー)」を売っている屋台を見掛けた。

肉夹馍は、中国・陝西省 (せんせいしょう) の西安を代表する伝統的な庶民の軽食とのこと。小麦粉で作った「モー」という円盤状の焼きパンに、香辛料と共にじっくり煮込んで柔らかくした豚肉を刻み、挟んだものだ。「世界最古のハンバーガー」とも呼ばれている。

熱された油の音、黄金の生地、胸を焦がす甘辛い煙。

これを、どうしても食べてみたい。

都内では何軒か取り扱っている中華料理店があるようだが、いずれも距離的に気軽に行くのは難しい。UberEatsにも近いものはあったけれど、どちらかというと角煮まんという感じだ。ちょっと違う。

一方、業務スーパーでは かなり本格的な肉夹馍を販売していると聞いた。

しかし、おれが住むのは、業務スーパー不毛の地。

改めて元の動画を見てみると、熟練した職人のような店員が、デニッシュパイの如く層を成した丸い生地を 鉄板で油焼きしている。

なんとなく、南インドの渦巻きパン・パロタを連想した。あれもバター (を精製した「ギー」というもの) が染みていて、春巻きとナンの中間みたいな軽やかさの割に、味わいはかなり背徳的。

…肉夹馍の話に戻る。

バンズたる「モー」が熱されてぶわっと膨らんだところで、さくさくに崩れそうな生地に水平な切り目を入れ、その隙間に 甘醤油で煮込んでおいた八角風味の豚肉、ピーマン、ネギ、パクチーを刻んだものをたっぷりと注ぎ入れる。現地での価格は8元 (≒ 200円) くらい。

うーん、美味そうだ。腹が減る。

問題は、この特殊なパン生地を入手する / 作ることの難しさに集約されているような気がする。逆に考えれば、パン部分を妥協して構わないのなら、「それっぽい」ものは簡単にできるのではないか。

というわけで、動画を100回見直してから、買い出しへ。

今回は バーガーというよりサンド形式で再現してみる。調理時間は15分。

[材料] (1人前)

・豚の角煮 (レトルト):1袋 (150g)

・ピーマン:3個

・長ネギ:10~15㎝程度

・食パン (8枚切り):2枚

・ゴマ油:適量

・花椒 / 五香粉 (八角) パウダーなど:お好みで

角煮は「セブンプレミアム」の「金の豚角煮」を使った。

まずは材料の下準備。

ピーマンと長ネギは粗めに刻む。角煮はべつに切らなくてもいい。

フライパンを熱して、まずは角煮をタレ・油ごと投入。

中火で焦げる前にピーマンと長ネギ・スパイス類を加え、汁気が少し煮詰まって 気が済んだら火から下ろす。

次に、パンだ。

🐼

大きめのクロワッサンが手に入るのなら、それに越したことはない。でも、心許ない感じになった食パンでも十分に挽回のチャンスがある。

ここで直火用ホットサンドメーカーという飛び道具を使うが、ない場合はトースターやフライパンでも突破可能。

ちなみに、おれが持っているQoovelの製品 (リンクはアフィリエイトではない) は、完全分離型で洗いやすく、耳の付いた食パンもそのままプレスできる便利な仕組み。大変に堅牢で、お勧めだ。

鉄板、もしくはパンの片面 (×2枚) にゴマ油を薄く満遍なく塗る。

焼けたとき、これが揚げたような食感をもたらし、一段とパイ生地っぽい雰囲気にしてくれるだろう。

ゴマ油を塗った側を鉄板に向け (写真は裏表を逆にする前)、プレーンなほうの外周に接着用の水 (分量外) を少々。その上に先ほど炒めた具材をのせよう。

ぎりぎり収まるはず。限界までいけ!

もう一枚で蓋をしたら、弱~中火で両面2分ずつ。

フライパンユーザーの皆様は、サンドしたパンの上からクッキングペーパー (キッチンペーパーではないぞ) を敷き、そこへ一回り小さい鍋に水を張ったものを重ねることで、なんちゃってホットサンド状態にすることもできる。

くれぐれも火傷には注意されたい。

途中で覗いて焼き加減を確認するべし。

"こんがり" が見えたら裏返して…

上手に焼けました。早く切ってみようぜ~!

お、これは成功してしまった。

角煮に絡んだ照りのある醤油ダレと、ピーマンの仄かな苦みがよくマッチしている。びりっと響くスパイスが決め手だな。ゴマ油で軽く揚がったパンも香ばしくて、ああ、苦手でさえなければパクチーもぜひ盛り込みたいところ。

ということで、"中国屋台式バーガーを食べたい欲" は概ね満たされた。

未だオリジナルの「肉夹馍 (ロオジャーモー)」を求める気持ちは消えないが、それはまた今度のお楽しみということで。

どうせジャンクフードに手を出すなら、まだ試したことのない冒険に出てみるのも悪くないだろう。思うよりも手軽にできるから、週末のランチや夜更かしのおやつに どうだい?

食べたら感想を聞かせてくれ。それじゃあ、また!

@octopus
ミステリー小説を書くシステムエンジニアの空想 bsky.app/profile/octopus3.bsky.social