10月に誕生日を迎えたおれは、友人からプレゼントの希望を訊かれ、悩んだ末に「なんか、スムージーとか作れるやつ…」と答えた。
すると、紆余曲折の後、このようなものが自宅に送られてきた。

recolte (レコルト)「自動調理ポット」(定価13,200円)
(アフィリエイトでもプロモーションでも何でもないので、各自好きなショップで探してください)
スリムでモダンな電気ポッドのような形。要するにヒーターが内臓されているミキサーということらしい。
あの、スムージーは?
家庭用の氷も砕くことができるので、スムージーなどの冷たいメニューもOK!
(レコルト 公式サイトより)
…作れるようだ。
これ1台でプリンやフルーツソースといった冷たいスイーツから、熱々のスープをはじめとした カレーやポタージュや粥・リゾット、果ては自家製の豆乳・アーモンドミルクまで作れるというから驚きである。

最大容量は600ml。蓋はゴムパッキンの付いた捻るタイプ。底には回転クロス刃が搭載されている。重量は同サイズの電気ケトルくらいだろうか。
他に電源ケーブルと手入れ用ブラシ・計量スプーンと簡易的なレシピブックが付属していた。
せっかくなので、テスト稼働を兼ね、今日はこの「自動調理ポット」で夕食を作ってみよう。
公式サイトのページを眺めていて、こちらのレシピが気になった。
「オニオンチキンポタージュ」
(なぜかサムネイルが上手く取得できない)
基本の野菜ポタージュやビスクをすっ飛ばして、いきなり応用編に挑戦。といっても、工程は単純かつ簡単だ。
材料 (約3人前)
・水:200ml
・醤油:大さじ1
・玉葱 (2〜3cm角に切る):1個(200g)
・鶏挽肉:100g
・バター:20g
・砂糖:小さじ1
液体・柔らかい食材から順に、全部ポットに投入する。
予めキッチンスケールの上にポットを置き、計量しながら入れていくと手間が掛からない。

水200ml・醤油大匙1・じょんがらじょん (おれの地元・東北の方言で "大雑把な目測で" という意味) に切った玉葱1個・スーパーマーケットで買ったパック半分の鶏挽肉・2匙のバター、適当に砂糖を放り込む。
…で、あとは蓋を閉めて、電源コードを繋ぎ…

"SELECT" ボタンを押して "POTAGE & PASTE" のモードに合わせる。
モーター音 (「回っているな」とは思うものの、それほど煩くはない) を聞きながら30分ほど待っていると…
「ピー」
ウィ、シェフ。お呼びでしょうか。
「そこの器に注ぎたまえ」
ウィ。
「ポットはホットになっているから気を付けるように」
ということで…

できました。
仕上げに少量のクリームとブラックペッパーを振ってみる。玉葱を使っているのに長葱を飾るのは冒涜的だったかもしれない。でも彩りが欲しくて、ごめん。
肝心なスープはといえば、凄く滑らかなペーストだ。ごろごろとしていた生の玉葱も、挽肉も、跡形もなくクリーミーに磨り潰されている。
沸騰するほど激熱ではないが、そのまま飲むには十分な温かさも保たれていた (焦げつかないように適宜攪拌してくれる "WARM" (保温) モード も搭載されている)。
味はというと…これはなんとも美味いではないか。ふわっと抜ける玉葱の香り。調味料は醤油とバター (と砂糖) のみであるが、不思議と洋風な抜群のテイストだ。なぜかジャガ芋やキノコを煮込んだような深みがある。
大袈裟でなく、ここに、スープストックトーキョーを開店させてしまった。
600mlという量も丁度良い。大きめのボウルにたっぷり入れて2杯分、というところだ。朝作っておいて、半分スープジャーに移して昼食にするのにもぴったりだろう。
…と、レシピを見ると、チーズを散らしてもよい とのことだったので、トッピングしてよく溶かしてみたところ…

天才!
公式サイトでは、丸いパンをくり貫いたものを器としてパンシチューにしていたが、それはちょっと粘度が足りず流れ出しそうな気がする。リスクを取らず、パンは別添えにするのが無難だろう。
片付けの話をすると、電化製品であるから当然濡らしてはいけない部分がある。
ただ、内側の汚れについては、規定量の水とごく少量の食器用洗剤を入れて "CLEAN" モードで動かせば、短時間のうちに自動で洗浄してくれるから、とても楽であった。
さすがに濯ぎ工程は手動であるが、空想上のシェフに「作ってやったんだから洗いなさい」と言われれば「…ゥィ」とぎりぎり応えられる程度の面倒さ。時間を置いてしまってこびり付きでもしない限りは2分程度で片付けられるだろう。付属の手入れブラシが意外に優秀だった。
総評としては、かなり満足。
材料さえ入れておけば、美味いものが勝手にできている。これは楽しい。おれには30分も鍋を掻き混ぜていられるような元気はないが、このポットさえあれば 動けないときにも 有り合わせの野菜を突っ込んで待っているだけで 手の込んだ風の温かい栄養食にありつけるのだ。悪くない。
ホームページを見ると、冷製モードで作るハニーアップルソイスムージーや、バナナケーキの生地など、気になるレシピが数多く掲載されている。少しずつ試して、無理なく健康を取り戻したいところだ。
素晴らしい贈り物をくれた友人に感謝を捧げつつ、今回はここまで。
皆も美味しいものを食べて健やかに過ごし、また遊びにきてくれ。