城と孤独

おひるね
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近々 引っ越しをすることになりそうなので 今日は引っ越しについて話そうと思う

私は 同じ家に2年以上住んだことがまだない 引っ越しがわりと好きなのだ 飽き性というのもあるが いろんな家に住んできた

比較的 都会に住んでいたこともあれば 現在の家は 田んぼとでかい川しかないど田舎にあって 住み心地もさまざまである

ひとつ前の家は 小さな森のすぐそばにあって いわゆる心霊現象が多発する家だった

苦手な方は読み飛ばしてほしい

私はあまりそういうものに興味がないので気にならなかったが 玄関からリビングまでの短い廊下を 深夜に誰かが歩き回っている足音が聞こえてきたり キッチンで料理をしていたら後ろを誰かが通ったり 寝ていたら枕元に誰かが立っていて顔を覗き込まれたりと ベタかもしれないが毎日のようにそんなことが起きた

引っ越した理由は 隣人宅から信じられない量のGが我が家へと行進しているのを目撃したからだ おばけよりよっぽど虫の方が怖い 駐輪場に置いていた買ったばかりの自転車が盗まれたり 頻繁に救急車がやってくるとかは まぁわりとあるあるだろう

いまの家に引っ越したのは 2年ほど前か もうすぐ2年 初めての2年越えになるかもしれない 家の周りにはなーーーんにもない 田んぼや川があるところからも少し離れているので 何を作っているのかわからない 謎の工場がポツンとあるぐらいである

家のことを 私はよく城と表現する 家はまさに私の城で 小さな窓から下界の様子を眺めているのだ ここだけが私の居場所であり巣だ

いまの家のこと かなり気に入っていて 大袈裟だけど一生住むんだと思っていた お金はあまりなかったけど少しずつ家具を集めて 自分だけの空間を作っていた 引っ越しの話が出ていてとても悲しく思っている

うつ病が酷くなって 金銭的にも余裕がなくなり 家の者が面倒を見てくれているけれど 厳しいらしいのだ それで家の者の実家に居候するという案が出た だからこれは不本意な引っ越しだ

ツイートにもたびたび登場するが 家の者というのは 事実婚をしている私のパートナーである

環境を変えることはうつ病にいいと周りの人たちに勧められているが 正直全く気乗りせず どうにか回避する方法はないかと思って考えているのだが ここ2ヶ月ほど調子が悪くてそれどころではなかった間に話がどんどん進んでいる

私はどうなってしまうのだろうか

私の希望としては 猫を連れてどこか遠くの 私のことを誰も知らない街に逃避してしまいたい

再び働くことができるのかわからない今の状況では毛頭無理なことは分かっている

ただもうどうしたらいいか分からないのだ

家の者のご実家に行き ほとんど見ず知らずのご家族と和気あいあいとしている自分が想像できない しかも私には家族について大きなコンプレックスがあり スムーズに仲良く交流できる自信もないのだ

病気のこと うつ病のこと 仕事のこと これからの生活のこと お金のこと 考えなくてはならないことがたくさんありすぎて そのうえ大事な選択を迫られている

正直 もうかなりまいっている

そもそも 引っ越しの準備や段取りを いまのこの状態でやり遂げられるのだろうか…?

人生 何があるか分からないなと思う 可能性は無限大とも言えるが 一方で選択を誤ればどうなるか 私は恐ろしくてたまらない そんなことを考えてしまうのは うつ病のせいだからか?

なんとかなる なんとかなると 心の中で念じながら 小さな窓から下界を見ている 季節はすっかり秋へ向かっていて 私だけ取り残されている

私は誰も傷つけたくないのだ 傷つけたくないし 傷つきたくないから ずっと城に閉じこもっていたいのだ 人間が恐ろしい 1人にしていてほしい

城はそのためにあるのだ

ではまた

@ohirunechann
胃にやさしい生活