近鉄の忘れ物センターにスマートフォンを取りに行くとTUCくらいの味気ない場所に折りたたみのパイプ椅子が3つ並んでいて先客が一人
「あー忘れ物しちゃったなー、しまったー」と説明ゼリフを言っている。
おじいさんかと思ったら同い年くらいの男性で、何も言わないのも変かなと「何を忘れたんですか? 傘ですか。傘は忘れ物が多そうで大変ですね」と会話のための会話のような、言葉を重ねた。
それはAIが書いたような次に来る確率予測で組み立てたようなありきたりなことばであるが、人間的なやりとりでもあった。
忘れ物センターの外に出ると鶴橋の市場で、二人組の女性が「キムチでも買わなあかんな」とまた説明ゼリフを言っている。
あの男性は心がもれでてしまいがちな人なのかもしれないが、大阪はこんな風にありきたりな言葉が外にあふれている。