腕時計型麻酔銃

ohmaworm
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公開:2025/12/5

タイトルがオチなんですけれども。

ほら、社会人時代に結論から述べろってよく言われたからね!

昨日、人間ドックだったんですが、初めて「麻酔による鎮静下での胃カメラ」をやってみたんですよ。

ツイッターまたはブルスカの私をご存知の方は耳タコだと思うんですが、謳馬と胃カメラの戦いの歴史は長く。毎回苦しみまくるし、お医者様もビクンビクンしてる患者の胃の中をカメラで探るの、至難の業だと思うので……。今回は楽にね、やってみようかと。

とはいえ、麻酔って歯医者さんでしかしたことないし、あれは部分麻酔だから意識はしっかりしているので、今回のは自分としては全くの別モノ。

意識が微妙~~に残っている状態で、口に管を突っ込まれても抵抗しない、ということは、身体の自由がきかないってことなのでは。そもそも、管を突っ込まれる感触はあるのか。また、意識が完全にオチた場合、呼吸はできるのか。膀胱とか肛門まわりの括約筋は働き続けてくれるのか。

考えれば考えるほど不安。まあ、受けた説明では「電車内での居眠り状態みたいなイメージ」とのことなので、呼吸と括約筋は大丈夫そうか。

でもやっぱり、(引越した関係で)今回初めてお会いするお医者様に、己の生殺与奪権を預ける行為ではある気がする。楽をする分、リスクはゼロではないのだ。

ってなわけでまあ、不安なのでグチャグチャ色々考えてたんですけど、実際のところ、私が健康かどうか確認して下さるお医者様に、ビクンビクン患者の胃の中でイライラ棒的ミッションをさせるのは罪なんじゃね?というところに着地したので、麻酔決行です。

施術台に横になって、喉に部分麻酔して、マウスピースを咥えて固定するところまではいつも通り。そして謳馬は相変わらず、マウスピースを咥えた段階でゲホゲホえずいている。本当に早すぎる。管はまだ登場してもいないぜ。

看護師さんが「喉を麻酔しているから、唾液は飲まないで垂れ流してね」と言いつつ、「ああ、涙が出ちゃった… 涙拭きますね~」と、涙は拭いてくれる。唾液垂れ流しなら涙はもっと垂れ流しでいいと思うよ!

でも、こういう優しさに不安な患者はたいへん救われているのだ。本当にありがとうございます。

で、「麻酔入れますね~」という声が聞こえて、おお、ついに、

と思ったところまでが、意識があった部分。

次の瞬間には、知らない天井とカーテンに囲まれたベッドで、ひとりで寝ていた。

……え、終わってる?

目覚めたらすぐに看護師さんが来てくれて、正常に麻酔が切れてきているかの確認をして、今日は終わりです、とのこと。

あ、やっぱり終わってたんだ!

ていうかコレ、当たり前だけど、検査結果がひとつも分からん。何なら管すら視認した記憶がないぞ。いつもは胃の中を先生と一緒に見ながら実況解説してもらってたからなあ。まあ、何も言われてないからすごくヤバい何かは発見されなかったんであろう。座して結果レポを待とう。

帰り支度をしながら振り返ったのだけど、臨場感たっぷりの佳境シーンにおける麻酔投入で、秒で意識がなくなり、目覚めた時には全て終わってた。でも内容は全く分からん。…という状況は、結構な勢いで、コナンの小五郎のおっちゃんだよなあ。

仮に私が探偵で、推理ショーの佳境で意識がなくなって、目覚めた時には全部キレーに解決してた、ということを複数回繰り返したら、「ダハハハハ、我こそが名探偵毛利小五郎である~~!!」となる可能性、割とある。

フィクションとして楽しんでいた腕時計型麻酔銃の後のおっちゃんの反応に、図らずもちょっとだけマジな共感の念を抱いた、冬の日でした。

@ohmaworm
日記です。