凄まじい回。見ていない人で少しでも興味がある人は、無料で見られるうちに、見てください。(ブラウザだとフルで見れないのでアプリで見てください。)
・デッドストックは計算された心地よさで、とにかくそつがない。通勤時とか何も考えたくない時にとりあえず流しておきたくなる耳馴染みの良さ、フロウのうまさ。金銭的余裕があり、音楽の英才教育を受ける環境があり、仲間に恵まれ、才能に恵まれ、きちんと努力もして順当に売れている。(とてもすごい。)
・デッドストックはリリックの中で、「ダラダラやるつもり ないないない 亀じゃない 誰も追いつかせないウサギ」と言っていた。その対極にいるのが、「俺はウサギに負けるカメ 何をやってもダメ」と歌ったTOKYO世界だ。本当に全てが逆。みんなが当たり前にできることが何一つできない。親から認められない。学校でいじめられ、部活で「お前何なら出来るんだよ」と言われる。なにもない彼が唯一光を見出したのが、弱者が強者に立ち向うためのHIP HOPというカルチャーだった。フッドステージの映像の全てが痛々しい。まだかさぶたにもなっていない生々しい心の傷がいくつもいくつも映されていた。曲は、本当に深く深くネガティブで、聴いているととても辛い気持ちになったけれど、誰の曲より心に刺さった。聴き馴染みの良い生活に寄り添う音楽ももちろん好きだし必要だが、こういう心を刺されるような音楽もまた絶対に必要だ。そしてなにより、音楽や、このラップスタアの経験を通じて、どうかTOKYO世界の苦しみが少しでも昇華されますようにと願ってやまない。
・TOKYO世界は、ネガティブすぎて聴いていて辛くなる、今後バランス感覚が必要になってくる、と審査員から言われていたが、その辺の聴き手を意識した楽曲作りが非常にうまかったのがKohjiyaだった。歌い方やリリック、構成に余裕と自信があってシンプルにかっこいい。声もフロウもメロディも聴き馴染みよくキャッチーで良いし、リリックの内容も面白い。力みがない。ついでに見た目や佇まいのスタア感も申し分ない。
・三者三様のラップスタイルに心を揺さぶられ、情緒がぐちゃぐちゃになった今回の放送だった。はーしんど。曲は全部良かったです。
・何もうまくできなくて、自分を認められなくて苦しい気持ちには覚えがあるし、わかってしまって辛いから、TOKYO世界に感情移入してしまうし、期待してしまう。彼がネガティブの海に潜って潜って潜り切ったあと、底からなにか掴んでそれを我々に見せてくれたら、今までのラップスタアの誰よりも沢山の人の心を揺さぶる存在になると思うから、……無理せずファイト!応援してる!次のキャンプがんばってね……! でも、今のままでも私から見た君は素敵だし、魅力的だし、唯一無二だよ! どんな自分でも自分が認めてあげられればいいんだけど、それの難しさはよくわかるので、なんて言うのが正解なのか一向にわからないよ。
・TOKYO世界のフッドステージの映像はYouTubeで見れますが、曲はAbemaじゃねーと聴けません。