2022-2023の本とか①

ohyoucho
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1.間抜けな男の話(2022.04 web漫画)

GOAを読んで湧き出てきた話。狂いの始まり。

理想の王様を作り上げようとある少女を生み出して育てた魔術師の男と

ブリテンを救うと予言された少女を導き助けた魔術師…を詐称した男

物語に対するスタンスが正反対の2人の男が同じ名の少女に大きな傷を負わされる結末。最高で…似たもの同士だなと…全人類GOAを読むべき。

そしてマテ本出る前に描いたのでまさかアルトリア・キャスターがこの2人を「似たもの同士!」って言ってるの見て泡吹いてしまいました。

電車と駅にたとえたのがうまくいったな〜と思い概念的な漫画を描く楽しさに目覚めた話でした。駅の看板に無名の王様が追加されたのに気づいてくださった方がいてニコ…となりました。ありがとうございます。

電車の中で眠るマシュやカルデアメンバーも描きたかった。画力が足りなかった。いつか再録本に入れたいです。しかし朗読劇で判明した「みっともない」があんな慈愛に溢れる言い方だとは思わず、若干解釈変わっているのでそこは直したいかもしれない。ただ掛け合いは気に入っており…

アルトリア・ペンドラゴンはホロアタ未プレイでは動かしてはダメというゲッシュをたてているので、今後プレイしたら2人のアルトリアが自分の星や歩んだ道について電車で語り合う話を描きたい。

2.Flyer×Flyer(2022.12.30 C102冬コミ発行)

本出すか〜となった1冊目。はじめて友達に頼んで表紙をデザインしてもらいました。無茶苦茶キレイで最高。配色まとまっていて見やすい…デザイナーさんってすごい…

特殊紙使ってみたくてミランダスノーホワイトにしてみたらキラキラしてキレイで最高〜遊び紙もミランダあいでこれほんと夜空みたいで最高でした。

月や反転やflyerといった各短編の要素を入れてます。本の中でも言いましたが本当は星の話も入れたかった。後悔ノート?

映画のフライヤーみたいな星の王子さまみたいなのにしてーと頼んで大正解。裏表紙も良かった 枠からはみ出る髪の毛と羽根から透けて見えるアルトリアの名前とか良すぎ。天才の友達…愛す…余談ですがサークル名ダサ過ぎてオサレ表紙が泣いてる。主張やばい。

デザインのラフたくさんもらってハッピーだったのでメイキングを別記事で載せたい。

夢をみる話

正月の概念もない妖精國ブリテンでは正夢とか知らなそうだし夢で見ることが現実になるっていう現象はアルトリア・キャスターにとって皮肉なことだろうな…と思い描き始めました。あとデジャヴとか正夢みたいなのって脳のバグだったりするから強いストレスを抱えてる藤丸ってすごく多そう…って勝手に思ってます。あと藤丸の夢にはいないはずのマシュがいます。

夢の話を聞いていつものように笑うアルトリア・キャスターに唯一気づくオベロン。直接的に何かするわけではなく「夢の中で温かく(花が咲くくらい)してあげる」くらいはするかなと思って描きました。ただ楽園の妖精の力が強過ぎて途中で目覚めてしまった…みたいな感じです。巡礼の旅で甘やかすことはなかったけど夢の中でなら…という希望。そもそもこの男、ティンタジェルでバカみたいにこの子のこと甘やかしてますからね。

おでこごっつんは個人的にキスシーンくらい甘いものとして描いてます(?)

アルトリアは夢を叶えることなく終わる装置。オベロンが彼女に放った言葉は嘘ではあったけど、実は彼女が立ち止まる姿なんて想像できなくて、最後に星に辿り着く姿をあの夢で垣間見ていたのかも…逆夢にならない?はアルトリアの夢に対して言ってます。

“「結局」行き着くところにいっちまったか” 

はなんとなくオベロンがアルトリアがああなることを予感してそうだなという印象を受けて描いた話でした。

わたしがやりがちなセリフで顔隠すやつです。自分の放った言葉を本当にして人理補助装置として目の前に立つ彼女に眩しさや呆れ、怒り、たくさんの感情を抱いて認めたくないと思ってそうなオベロンを表現できたらなと。

空を飛ぶ話

マーリンになにが知りたい?と聞かれたときに真っ先に答えた答えが「空を飛びたい」だったのはなぜだったかと考えて思いついた話です。村から出れるしかっこいい。そんな単純な願いからマーリンと話しているうちに「彼に会いに行けるのでは」と考えてたら可愛いなと。最後の最後まで彼女が空を飛ぶことはなかったけれど、無名の王様となり空を飛べるようになった自分を誰よりも見て欲しかった相手は彼だったのではないかなと…

アヴァロンに辿り着いた描写で花畑に立つアルトリア・キャスターの足とアヴァロンから奈落に向かうアルトリア・アヴァロンの足は対比させてます。いい感じに描けたと思う。

1番描きたかったのは言わずもがな最後のページ オベロンが笑ってるのがお気に入りです。

村正が沈黙なのは「こいつまた言いたいこと隠してるな…」と気づいてそうだなと思って。あえてアルトリア・キャスターを「キャスター」としか呼ばないマーリンという男も描いてみたかった。満足です。

月へ行く話

ブリテンって自殺の話だよな…と思い冷たい夜の海に入って入水自殺するオベロンとアルトリアの姿を思いついて描こうと思った話です。1番気に入っているかも。

概念の話で味をしめた。ムーンロードは〜といつものように嘘をつくオベロンと、その嘘を間に受けてその先の星に辿り着きたいという少女。さらにその嘘を本当にして月の道を歩いて帰ってきて彼のゆく道を止める展開が上手く原作の流れになったかなと。

絶対に入れたかったのは胸の鼓動のシーン。もちろんアルトリア・キャスターの歌である「躍動」からとっています。

今回の本では表紙デザインを頼みたいのと見開きを使いたいという目標に執筆したので見開きかけて満足でした。個人的にここらへんの海の描写が気に入ってます。ただもうすこし斜めコマとか使ってみたらよかったかなという反省もあります。要勉強…

最後の舞台であるストームボーダーにオベロンを連れてきてくれたのはブランカだし、A.Aへと辿り着くきっかけをくれたのはホープちゃんなので、それぞれ海の中から出る幕間を無配で描きました。

3.Hole(2023.05.03スパコミ発行)

他に思いついていたネタがあったんですがそこから広がって急遽話を変えました。また概念の話です。

表紙で特殊装丁やりたくて一色刷り(銀インク)+紺っぽい紙(ビオトープGA-FS)+ホログラム箔(サファイア)という冒険に出た。結果大成功で気に入ってます。特に青い星が見える表紙から次のページで金のように光る遊び紙(グリスターシャンパンゴールド)がエクスカリバーの光のようで原作再現〜となり最高になっちゃいました。うひょひょ。緑陽社さんありがとうございます。

長編っぽくしたかったけどなんやかんやで短編集みたいになった…

Hole

いきなりオベロンと顔合わせてますがまぁ細かいところは置いておいて…LB6のプロローグにてホームズが「陥穽」と表現されてる穴の概念の男。妖精王オベロンとして出力されていながら愛を感じることのない霊基に固定されたオベロン・ヴォーティガーン、鼓動を感じる場所がなさそう〜というイメージで胸に穴を開けてみた。彼の胸を満たす相手(ティターニア)はどこにもいないけどずっと探してるという原作の会話を上手く描けたかなぁと思ってます。

指の中にアルトリアをおさめないようにしてるのはこだわりポイントです。

お気に入りは穴を覗くアルトリア。さみしくない?のセリフが大好きで…オベロンの根っこの部分にストレートに触れるあの会話が優しくて切なくて。さみしいって感情、はじめから1人だと感じることないものだからアルトリアが彼にこのセリフを言うのはとても感慨深いなと思ってます。そこからのマーリン(オベロン)の独白も大好きです。この師弟さぁ…

through

穴になにを入れても意味がない。突き抜けて一生埋まりはしないという意味を込めてます。

宝石を集めているアルトリア・キャスターの描写はお気に入りです。

他人にとっては取るに足らない理由であっても、そんなくだらない理由のために走ることをやめない。そして願いの宝石を集める集積装置である彼女…を見るオベロン。彼からみたら全て石ころで価値のないものなんだろうなと。原作の「よくわからないこだわりを宝石みたいに〜」のセリフがオベロンらしくて好きです。あと同じ目線で隣に立つ傍観者の藤丸を描けて楽しかった。

最後の穴は聖杯をイメージしています。本人もボイスで言及してたしピッタリかなと。(最悪)

チェンジマーク

映画風にしたくて描きました。トーンやらベタやら影やらをもう少しクッキリわかりやすく描けたらよかったな…と反省。ウッドワスとかマイクとかも描きたかったけど断念。

オベロンの穴を昔の映画にあるフィルムのチェンジマークに見立てたんですけどあまりそう見えず。表現力を磨きますね…

ちなみに最後のモルガンの血濡れの王冠の跡も穴に見えるようにしてます。

オベロンの策って愛を理解してないとわからないものばかりで皮肉だなと思います。ブリテンという物語の登場人物たちに真摯に向き合っていて…良くも悪くも。

pithole

落とし穴という意味で。序盤にも言いましたが陥穽の意味もあってピッタリだなと。

お気に入りは落ちるオベロンと聖剣と書いて毒と読むモノローグ。毒と糧♡

藤丸くんに「それでも」と言わせたかったしオベロンの胸の穴と羽根に透けるシーンが描きたかった。個人的に藤丸君は攻め系主人公です。すみません。

オベロン・ヴォーティガーンが探し求めていた星、胸を満たす愛に出会うことはなかったし存在すらしなかった。そしてその彼女のために起こした癇癪。これを叱るように宥めるように星の光を胸に突き刺し焼き切ったのがアルトリア・アヴァロンだったんだ…という今回の本のサビです。楽しかったです。

ジワジワと聖剣という星の光に焼かれて奈落に落ちるオベロン 無茶苦茶良くないですか?

最後は召喚前をイメージしたんですが伝わったかな。これももうちょい表現力を磨きたいです。オチは気に入ってます。A.Aさんがオベロンの召喚に携わってる妄想は最高ですから…

つづく

@ohyou
日記やらログやら