憂鬱

oishiioniku
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昨日が最終出勤日だった。

挨拶をしたり餞別品をもらったり置いていったりしたくらいで、これまで通りつつがなく淡々と終わった。辞める時なんてそんなもんなのだ。これからしばらく有休消化が続くが、次の入社まで絶え間なくアルバイトをしているのでひと息つくことはなさそうだ。

今日はアルバイト後、サンリオのギフトゲートに駆け込んだ。年に一度のキャラクター大賞がいよいよ今日から始まった。それに伴い発売されたグッズを買って、コロコロクリリンさんに投票がしたかったのだ。数字は初速が大事、YouTubeの再生数で必死になっていたころに身をもって学んだことだ。大賞が告知されてから半月くらい気が気でなかった、いやそれは今もか。ランキングものにはよくあることだが、キャラクター大賞の結果はグッズ展開にかなり大きく影響する。どのグッズもまず上位メンバーが選抜され、残ったわずかな枠の中でその他のキャラクターが変動するような体感だ。コロコロクリリンさんは昨年度20位だったわけだが……だいぶ微妙だ。さらに展開のないキャラクターがいることももちろん承知だが、グッズ一覧に姿が見えずため息をつく数の方が断然多い。私くらいの世代だとコロコロクリリンを知っている人がほとんどだと思うが、若い世代になると認知度が著しく低下するらしい。公式は全グッズをリリースしないので(OEM製品もあるからね)、SNSで検索した方が情報を集めやすいのだが、そうしていると「コロコロクリリンって誰?w」などとバカにしたような感想も引っかかる。サンリオはアニメ作品等とのコラボも多く、なぜかそういった企画では比較的選ばれる。これも選ばれないよりはマシだとは思うようにしているが、コラボ先のジャンルのオタクに「●●の相手は××がよかった」などと言われると狂いそうになるほどイライラする。こっちだってよく分からんアニメ絵と抱き合わせにされたグッズなどちっとも求めていない。あんまり舐めたこと言ってんじゃねえぞ。

閑話休題。ただでさえ選抜されにくい微妙なポジション、そしてキャラクター順位のまとめ画像にされがちなのが20位までなのでこれ以上は落ちたくないのが正直なところである。ちなみに記念グッズになるのは10位までだ。

店舗のキャラクター大賞投票スペース

グッズ購入と投票まで済ませて、ゲームセンターに向かった。これまた同じくコロコロクリリンがあるテーマのグッズに選ばれ、そのぬいぐるみマスコットがクレーンゲームに登場するということで入荷店舗を調べて行ったのだが、まあものの見事に惨敗だった。ぬいぐるみマスコットなのでミニクレに設置されていたのだが、パワーの軽さが顕著だし素人のスキルでどうにかできるわけではなさそうなところが苦手だ(もともとクレーンゲームが得意というわけでもないが)。プレイ途中、近くで遊んでいた見知らぬ男子高校生に「取れるわけないじゃん」と半笑いでつぶやかれた。赤の他人にそんなことを言われる筋合いがなさすぎるので真顔で見つめたら「すみません」とこれまた半笑いでつぶやかれ(隣の友だちにこぼすようにして私に直接言えないところが余計にダサイ)、まさか話しかけられると思わないからこいつは調子に乗れるんだろうなと思い、ひとつ揉めてみてやろうかと好奇心がわいたが、自分がバイト帰りの情けない格好をしていたので止めた。やはりしっかりと装うことは大事だ。明日から絶対化粧する。

最終的に見かねた店員さんが景品口ギリギリに置いてくれたものの、地面に弾んで遠くに飛ばされてしまい、それで気持ちがポッキリ折れてあっさり帰宅した。なるべく自力で取りたいのでアシストを頼りにしてクレーンゲームをやることはないのだが、取れるにしろ諦めるにしろ、さすがにもっと早く声をかけてほしかった。あのサイズに費やすべきでない金額を投入した。まだ取りたいけど系列店にはもう行かないだろう。

虚無を抱えたまま電車で帰り、近所のクレープを食べた。うまかった。もはやクレープしか俺のことを慰めてはくれない。