最近はアルバイトをしている。それで、勤務先である大学に通っているのだが、時期が時期ということもあり、ガイダンスだったり、サークルのビラ配りがさかんに行われている。新入生と新学期を迎えた構内の雰囲気はどこか浮き足立っていて、ほほえましく感じる。と、それを横目で見ていると、勧誘活動中の在校生にやたら話しかけられる。なんなら遠目からロックオンされている。確かに、いい加減な格好なので話しかけられてもおかしくはないが……気まずすぎる。というか、自分の母校ってサークル勧誘とかあったか? 誘われたことはおろか見た記憶すらない。本当にドラマやまんがみたいな風景なんだなと思いつつ友だちに尋ねたところ、「いやあったよ」と一蹴されてしまった。みんなが登下校で主に使う通路で行われていたそうだが、よくよく考えると、大学に入学した時は精神病を極めすぎて人ごみがストレスだったのであまり人気(にんき)のないルートで帰宅していた。2年生以降は社畜アルバイターの友だちと光速で帰宅するか図書館もしくは研究室に軟禁されていたので、遭遇することがなかったのだろう。灰色の大学生活。ちなみに、楽しそうな学生に囲まれていると、自分も若返ったように感じる……なんてことはない。道路の排水溝に煙草の吸い殻が溜まっているのを見て、やっぱり大学の周辺には住みたくないな〜とか思いながら歩いている。
こないだアルバイトのあと、百貨店へ行った。シュウウエムラの新作リップとハードフォーミュラがほしいという動機だが、最終的に眉マスカラとクレンジングまで買っていた。向こうからしたら棚からぼたもちだ。それと、下地とファンデーションを替えようとRMKにも寄った。自分の理想とブランドイメージが異なるので、なんだかんだこれまで利用したことがなかった。BAが優しいというような話を聞いていたが、実際担当してくれた人もヒアリングや提案が細かく、タッチアップで選んだアイテムの理由も述べてくれてとても手厚かった。対応が手馴れすぎていて若干の圧を感じたところもあるが、納得して買えたと思う。どうでもいいが、自分が接客業をしていたこともあって、個人として認識される接客を受けるとどう思われるか気になってしまう。特に百貨店の化粧品売り場へ行くと、なんとしてでもBAを笑わせなければ…という気持ちになってしまう。そんなことしなくてもいいのに。
そういえばここ半年くらい、ほとんど化粧品を買わなかった。仕事で化粧をする必要がなく(本当に、無)休日に出かけるような用事も少なかった。そういった環境の中で、化粧へのモチベーションが著しく下がっていた。自意識が消失し、ある程度の場所までならすっぴんで行けるようになってしまっていた。そういう中で、色味を見るために今回タッチアップしてもらったが、鏡に映る自分の顔がきりっと締まっていたことにめちゃくちゃ感動した。描いてもらった眉毛を再現したいと思い、参考にするため帰宅したあと自撮りをした。だが、整った眉毛よりも前髪をあげて撮った自分の額があまりに広すぎて愕然とした。化粧のモチベーションより毛根の危機を案じるべきかもしれない。